『川のながれに』 最初から最後までSUP(スタンドアップパドル)という川下り推し。本当にこれで一本映画になるのか、いささか不安になってくる……
→公式サイトより
『川のながれに』
監督・脚本・編集 杉山嘉一
プロデュース 川岡大次郎
撮影 鳥居康剛
音楽 山下俊輔
出演 松本享恭、前田亜季、小柴カリン、大原梓、松本健太、安居剣一郎、林田麻里、森下ひさえ、三上市朗、青木崇高、音尾琢真
栃木県那須塩原市発! 那須塩原というと温泉。それにスキー場。そんな典型的な冬季リゾート地である那須塩原にテレビの企画で四ヶ月間移住生活をした俳優川岡大次郎、すっかりこの地が気に入ってしまい、那須塩原市の「まちづくり大使」に就任する。さらに那須塩原の良さを伝えようと映画をプロデュースすることになったというわけだ。というわけで那須塩原のいいところを全面的に盛り込んだ本作、何が出てくるのかと思ったらSUP(スタンドアップパドル)という川下り。大型のボードの上に立ち、パドル(オール)で水をかいて進むというアウトドア・スポーツ。これ、流行ってるの? ともかく最初から最後までSUP推し。のんびり紅葉なぞ眺めてる分にはよさげだが、本当にこれで一本映画になるのか、いささか不安になってくる……
那須塩原は箒川(ほうきがわ)でSUPのガイドをつとめる君島ケンジ(松本亨恭)。早くに父をなくして母子家庭で育てられたケンジだったが、ここまで大きくしてくれた母が死んだので、一人川面で横になって物思いにふけっていると、上からシャープペンシルが落ちてくる。見上げると、そこにいるのは景色をスケッチしている美女森オトハ(前田亜季)であった。フリーランスのイラストレーター、オトハは大正時代の浮世絵師川瀬巴水の熱烈なファンであり、巴水が愛した那須塩原の地に移住してきたというのだ。SUPガイドの経営者飛田秋央(安居剣一郎)は、「巴水だったらケンジが詳しいから」とケンジにオトハの案内を押しつける。まんざらでもないケンジだが、心穏やかでない人が一人。ケンジの幼なじみで塩原温泉旅館の若女将であるヒナミ(大原梓)だ。ケンジにとっては妹のような存在らしいヒナミだが、上手でもないおにぎりを差し入れで届けたり、涙ぐましい努力でケンジにアピールしまくって、鈍感なケンジ以外はみな恋心に気づいている。いや、実のところ、ケンジもわかってるくせにわざと宙ぶらりんにしてるんじゃないかという節もある。罪な男である。
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