柳下毅一郎の皆殺し映画通信

『Revolution+1』 主人公の銃撃を観念の革命=Revolutionではなく現実に近づけるものがあるとしたら、それはあの自作銃であるはずなのだ。あのいびつで不格好な手作り銃

 

『Revolution+1』

監督 足立正生
脚本 足立正生、井上淳一
撮影 高間賢治
音楽 大友良英
出演 タモト清嵐、岩崎聡子、高橋雄祐、紫木風太、前迫莉亜、森山みつき、イザベル矢野、木村知貴

よくも悪くも2022年を象徴する一本である。死にとりつかれたこの一年、ゴダールからアルバート・ピュンまで多くの映画人が他界し、テレビのニュースからは毎日パンデミックの死者数が伝えられる。極めつけが7月8日に発生した山上徹也による安倍元首相銃撃事件だ。その事件をわずか三ヶ月足らずで映画化し、9月27日の安倍首相国葬に合わせて上映する! そのアイデアを思いついたのが若松プロ出身の元日本赤軍足立正生。日本の誇るエクスプロイテーション映画の巨匠若松孝二の薫陶よろしく時事ネタを最高のエクスプロイテーションに仕立ててみせたのだ。仕掛けは満点、では結果のほうは?

 

 

(残り 2368文字/全文: 2750文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

tags: イザベル矢野 タモト清嵐 井上淳一 前迫莉亜 大友良英 岩崎聡子 木村知貴 森山みつき 紫木風太 足立正生 高橋雄祐 高間賢治

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ