『火面 嘉吉の箭弓一揆』設定も演技も衣装もストーリーもあまりに自由。自由すぎて何を目指していたのかもよくわからないというレベルで自由
→公式サイトより
『火面 嘉吉の箭弓一揆』
監督 秋原北胤
脚本・技術統括 落合雪江
撮影 ZIGEN
音楽 THE金鶴
出演 和泉元彌、坂元健児、なかじままり、林健樹、咲良、原田朱、山崎仁衣菜、川島正治、スティーブ・エトウ、サワサキヨシヒロ、小倉一郎
「土倉(鎌倉時代の高利貸し)による高利により民衆の徳政令発布を求める声は世に溢れていた。一方で世に蔓延る悪行を正すため仮面姿の男『火面(ファイアマスク)』が京の都で暗中飛躍していた」というあらすじを読んで「え、あれ京の市中のつもりだったのか、ほぼどっかの寺と森の中で人が突っ立っているだけの映画と思ったが、などというのはツッコミどころのうちにもはいらないこの映画。アナクロニズムとかいうレベルでなく設定も演技も衣装もストーリーもあまりに自由。自由すぎて何を目指していたのかもよくわからないというレベルで自由なのだった。かつてのカエルカフェには「名作」を作りたいという野心があり、それゆえに版権切れの文豪の作品を原作にするようなことをしていたのである。だが、これはもう……自由すぎて何をめざしているのかすらよくわからないのだった。
映画がはじまるといきなり現代の小学生が登場。え、時代劇じゃなかったの? 室町時代マニアの少年、学習机に向かうと時代劇漫画を書きはじめると、そこからはじまる物語が……えっこれ小学生が描いた漫画の中身なの? そういうわけで少々ファンタジックで非現実的なお話になりますが、すべて小学生の夢ということでご容赦いただきます。
白拍子の女と天竺の女(虎の毛皮をかぶっている)の二人をしたがえた細川持春(和泉元彌)は弓の名手である。世にはびこる悪を成敗すべく、赤い仮面をかぶって変身! じゃじゃん!(ちゃんと囃子が入る)ミキサーをあやつって変な音を聞かせ、民衆をたぶらかす者をはじめ、金光ぎん(なかじままり)の手下で悪事を働く高利貸したちを次々に懲らしめる持春であった。もっぱら二人組が何かを投げる→それを持春が弓で射る→何かしらが飛び出して懲らしめる という手順をくりかえす火面こと持春なのだった。火面の活躍はいつしか巷の語り草となり、持春にも疑いの目が向けられるのであった。
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