『ハッピーバースデー ~みんなみんな生まれてきてくれてありがとう』 日本一気骨のある映画館がつくった、監督のいない映画……!?
『ハッピーバースデー ~みんなみんな生まれてきてくれてありがとう』
撮影・編集 林純也
出演 藤井真理、遠山雄、渡邊将、平田ジャネット、丹野未結、永田七夕
製作:萩ツインシネマ! コロナ禍の緊急事態宣言中でも営業を続けていた日本一気骨のある映画館こと山口県萩市の萩ツインシネマ。実際にはコロナじゃなくても普段からソーシャルディスタンスが保たれている映画館だとか、そもそも自粛期間中に営業していたことも誰も気づいていないで「映画が止まった日」とか言ってたとか、まあそんな地元に愛されるミニシアター萩ツインシネマの製作作品だというので、てっきり小京都・萩の魅力がたっぷり詰まったほっこり系観光映画なのだろうと思っていたら、あにはからんやなんの救いもない地獄のような投げっぱなしの映画であった。いや本当に、なんでこんなことに……と思いながら見たら、チラシにもパンフレットにも監督のクレジットがない! なんとこれ、監督のいない映画なのか……!?
萩に住む高校生マリ(藤井真理)はフィリピン人の母(平田ジャネット)を持つハーフ。父とは早くに別れた母は、連れ子のいる男性と再婚するも、新しい夫も死に、現在は血のつながりのない兄・海(渡邊将)と三人の暮らし。で、母は海の父との結婚の前か後かに二木(遠山雄)という男と結婚していたのだが、酒乱だった彼はそのせいで事件を起こして母と別れたのだという……という時点で早くもこの母親なんなんだ!と思うわけですが、さらにひどいことに連日深酒をして、帰ってきたら寝るだけ。もちろん子供になどまったく無関心。建設業で働く海がマリに「おまえのまわりの大人はみんな自分勝手だから」と言うのだが、本当にひどい大人ばかりで、一人真面目にマリのことを心配している海が可哀想になってくる始末。
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