『岡野教授の高校協奏譚』 待ってました! と言っても待っていたのはこの世で俺一人であろう、4年ぶり第三弾。次回作は作られないままシリーズ終了なのでしょう
→公式サイトより
『岡野教授の高校協奏譚』
監督・脚本 今野恭成
撮影 葛西幸祐
音楽 鷹尾まさき
出演 高橋健介、六田村心、岡野陽一、東亜優、小宮孝泰、森川貴
待ってました! と言っても待っていたのはこの世で俺一人であろう岡野陽一主演の「岡野教授シリーズ」、4年ぶりに待望の第三弾が登場だ。第一作『岡野教授の千年花草譚』は2018年製作、第二作『岡野教授の南極生物譚』が2020年製作というわけで、いやよく四年もしてから続編を作るような元気があったな、と逆の意味で感心したのだが、copyright表示は「(c)2022 岡野教授3製作委員会」となっていたので、2のあと勢いで三作目まで撮ってしまったが、そのまま氷漬けになっていたということらしい。キャストの中にはもう芸能界を引退している人もいる!
舞台は高校なのだが、岡野教授(岡野陽一)は「大学を追い出された元菌類学者」の生物学のダメ教師という役なので、一応前二作とはつながっているようなのだが、正直、もう誰も覚えていない前二作の話などしないまましれっと岡野先生シリーズで良かったのではなかろうか。
映画がはじまると夏休みを控えたある日、保健室にはベッドが足りなくて床に布団を敷くほどの生徒が寝込んでいる。これもちろん全員学校のマドンナ養護教諭遠山(東亜優)目当ての仮病で、以後遠山がよそ見しているあいだに起き上がって彼女を観察、遠山が視線を向けると寝たふり、というコントがひとしきり繰り広げられる。で、そのまま「♪ペンは剣より強いけど~」と歌がはじまる。本作、実はミュージカルで、このあとも中途半端な歌と踊りが盛り込まれている。主演俳優がテニミュ出身だからなのだろうが、2.5次元舞台の限界を感じさせるばかり。ちょっと不思議だったのは、このミュージカル、現実世界でも歌っているようで、道の真ん中でラップバトルをしていると、通り過ぎる車が迷惑そうに避けていく描写があったりする。じゃあ伴奏は……とか面倒なことは考えない決まり。
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