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東海地区大学・社会人有望選手特集⑪ トヨタ自動車 後藤凌寿 投手 “三重の公立高校から名門チームで揉まれてドラフト候補へ成長”

後藤凌寿投手はベンチ入りが20人そろわないような三重の四日市商から、NPBへ毎年のように選手を輩出する強豪の東北福祉大へ進学。そこから今度は社会人の名門であるトヨタ自動車へ入社。昨年日本選手権で155km/hをマークし、プロの解禁となる2年目の今年は社会人では最注目投手として名前が挙がっている。

四日市商から東北福祉大へ行った経緯。強豪チーム、名門チームでの経験。NPB入りにかける思いなどを伺っていきました。

トヨタ自動車 後藤凌寿 投手(四日市商-東北福祉大)

〇“ノリ”で東北福祉大へ

野球はお父さんがやっていた影響で小学3年から始めたが、野球が嫌いな?野球少年だった。「試合に出るのが嫌でした。ボールが怖かった(苦笑)。元々好きで野球を始めたわけではなく、やれと言われるからやっている感覚でした」。

そのため「プロ野球選手になりたいという気持ちも子供の頃はなかった」と当時を振り返る。

中学も地元の中学校の軟式野球部に所属。そこではショートが中心でたまにピッチャーをやるという感じ。高校で四日市商を選んだ理由も「そんなに強いところでやりたくなくて、楽しくのんびりやれたらいいなと思って、近いから選びました」と言う。

高校でもショート兼ピッチャー。どちらかというと内野手の方が好きだった。

だがピッチャーとして徐々に球速が出始めると、注目されるように。「高校3年の時に140km/h出るようになって、NPBのスカウトさんが見に来てくれたりしました。それでも上でやろうとか、そういう意識はあまりなく、高校で野球は辞めるつもりでした」。

東北福祉大への進学は“ノリ”だったとか。「関係者の方に東北福祉大を薦めていただいて。そういう話があるなら行こうかなと。結構軽い気持ちで決めてしまいました。それから東北福祉大がどんなチームか知っていくにつれて不安も出てきて、行きなくないなと思いました」と笑う。

〇東北福祉大では順調に成長する

入ったころに山野太一投手(ヤクルト)、椋木蓮投手(オリックス)といった、のちにプロに行く選手がいた東北福祉大。「レベルの違いはすごく感じた。すごいところにきちゃったな」と感じていた。

そんな中、1年の秋からは公式戦でも起用されるように。「A(一軍)で投げる日が来るのか?と入ったころは思ったので、まさか公式戦で投げさせてもらえるとは思いもよらず。自分としては順調だったと思いますね」と自己分析する。

〇大学3年でブレイク

大学3年の時に初めて150km/hを突破。印象に残る試合としても大学3年の秋、東北学院大とのリーグ戦での投球を挙げた。

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