「これが福岡県のバスケット熱だ」いまさらながら福岡インターハイ総括(前編)
【福岡IHを総括する】 (前編)
以前からウインターカップの原稿に「高校生にとって昔はインターハイこそが目指す頂点だったが、今やインターハイは全国大会の新人戦」と書いてきた。その考えが浸透してきたのか、同じキーワードを使う人が急激に増えている。
しかし、今回の福岡インターハイの現場を見た限り、新人戦と呼ぶにはいささか失礼なほど熱い戦いが展開された。
今年の高校バスケットボール界にとってはそれに当てはまらない大会だったと感じた。
その理由が明白なのは、昨年から主戦力として下級生から試合に出て活躍していた選手、チームが多いからだ。
試合経験を積んだからこそ、現在の高校三冠(インターハイ、トップリーグ、ウインターカップ)を狙うのは当然の成り行きだ。
高校バスケット界の頂を目指すには、第一ラウンドであるインターハイは落とせない、そんな空気があった。
それは毎回上位に進出しているチーム、野望を抱いて福岡にやってきたチームを浮上させた要因、原動力となっていた。
近年の男子高校バスケットボールを見るには、決勝、準決勝もさることながら、ここのところ準々決勝に見逃せない試合が多く、これは2面同時進行ではもったいない。まぁ、縦4試合連続はそれはそれだけで終わったあとにぐったりするほど疲れるのは目に見えているが、それは本望だ。
今大会、初のベスト8に進出したのは、中国ブロック1位の鳥取城北(夏冬初)、東海ブロック1位の美濃加茂(夏は初)の2チーム。鳥取城北は2回戦・土浦日大でラストのフリースローで61-60と1点差で勝利をたぐりよせた。そして、お互い初の8強をかけての柳ヶ浦戦でまたもやロースコアゲームでこれを制した。
続く福大大濠戦は30分間以上拮抗した試合を展開したが、終盤引き離されてしまった。

柳ヶ浦も今年は勝負の年 PHOTO BUBU

準々大濠8渡邊をトリプルチームでマークする鳥取城北 PHOTO BUBU
準々決勝、注目のゲームは、藤枝明誠対福岡第一だった。挙手一投足に歓声があがり完全アウェイの空気の中、藤枝明誠・金本コーチはこう語る。

準々決勝 藤枝明誠戦 宮本兄弟とザイオン。下の動画で歓声を体感 PHOTO BUBU
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