BUBU’S EYE

「ケガをしようが、運は自分たちに味方している。自信を持ってプレイします」新開、東郷(京都精華3年)

13新開 温矢(3年・F・182㎝・京都ハンナリーズU15)
23東郷 然(3年・GF・187㎝・京都精華学園)

PHOTO BUBU

今年就任5年目となる山崎翔一朗コーチにとって、まさに青天の霹靂となる事態に陥った。

それは京都精華が初参加した日清トップリーグ最終日に明かされたた。Wキャプテンを務める新開温矢と東郷然の2人が京都予選で骨折をして本大会に出られるかどうかだというのだ。幸い東郷はトップリーグの最終日にギリギリ間に合ったが、その時点で新開についてはまだわからなかった。ウインターカップ予選を突破したのも初めて。このチャンスにもしも出られなかったならば大きな痛手となる。

結局、左手首と左頬を負傷して手術を受けた新開は、フェイスマスクをかぶって出場にこぎつけた。


「(新開)がいるといないとでは彼らにとって大きく違う。指揮をとる私にとっても大きな安心感が生まれました。1年の32中村太優が思ってた以上に頑張ってくれた。同じく1年の35山﨑燦吾がファウルトラブルにならなければ、もう少し楽な展開になったと思います。8395

(新開の復帰は)先週くらいにようやく身体を動かしはじめた。いい病院と巡り会えたこともあって、鍼治療と超音波を当てて、回復のスピードが速まった。まだ完全という形ではないのですが、最後はやってほしいという気持ちで長めのPTとなりました」と、初戦の柳ヶ浦戦を乗り切った試合後の山崎コーチは青息吐息のコメント。


当の新開は
「回復度はめちゃくちゃ早かったです。ゴッドハンドが京都にいました(笑) まだボルトが2か所入ってます。先週復帰してほぼぶっつけ本番。逆にギリギリすぎて、しゃーないやろと開き直りました」と笑いをとりつつも試合に向けての心境を語った。

さらに、続けて
「東山戦でケガしてしまって、手術は11月11日。そのあとの試合でみんなが頑張って全国を決めてくれて、いっぱいメッセージをもらいました。その時自分がコートに戻らないとあかんなと強く思いました。チームメイトに感謝しています」と新開。

対人の練習も始めたのは3、4日前だった。今日の試合も想定で出足が悪いだろう、その時が自分の出番というシミュレーションしていた。
「ディフェンスをハードにすることてベンチも盛り上がるだろうし、そこを意識していました」(新開)


片や、東郷は
「この展開は想定していましたが、スターターに1年2人が入ったことで硬さが出てしまった。その硬さをとり除いてあげられなかったというのが3年として硬さを取り除いてもうちょっと気楽にフレイさせてあげられなかったということが悪かったなと思います」

 自分自身も新開君もケガをして、大会に向けて苦労はあったか。チーム的にその部分をどうやって乗り越えてきたかを尋ねられると

「ウインターカップ予選が3位という結果に終わってしまって、ケガも増えてバラパバラになってしまった。1週間前にみんなを集めてもう1回〝日本一〟と一つになること。6年間やってきて集大成ということを今までも言ってきたんですが、それ以上に最後は一つになってできていたと思います」と、中高一貫の最終トライについて意識を高めてきたと語る。

メンタル的に東郷、新開もケガをして、さらに昨日ディフェンス職人と呼ばれる7善山莞太京までケガをしてしまった。
新開自身は中学は違うが何回も戦っていた。お互いが一緒のチームでやれることはうれしかったという。


「今までライバルだった選手が同じチームになるということは心強かった。2人で協力して戦うことが楽しい」(東郷)

「僕とレイモンドだけ中学は違くて、他みんなは内部生。若干熱量は違います(笑) 精華への進学は迷っていた時に山崎先生と中学の奥田先生に声をかけてもらいました。中学からは全員上がるし、留学生も来る。自分も京都で一番になるという気持が強かった。

東郷はミニバスからのライバル。中学の時もずっと対極というか、お互い別チームのキャプテン。意識しあって高めあう存在でした」(新開)

「最後は3年間やってきたことが試合に出ると信じている。ケガをしようが、運は自分たちに味方している。自信を持ってプレイします」
 いつもポジティブな新開たちに迷いはなかった。

PHOTO Yukie Yamamoto 23東郷


PHOTO Yukie Yamamoto フェイスマスク姿で登場した新開














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