限界突パ

【We love MARINES】「日本の野球と全然違う」。元ロッテのリリーバー荻野忠寛さんが語る黄金時代のロッテ。

ロッテで一時代を築いた荻野忠寛さんとの対談。

後編では現役時代のロッテの話を聞いた。当時はバレンタイン監督を指揮官にして、先進的な野球を展開。パ・リーグに大きな風を吹き込んだ。当時、現役の選手としてチームにいた荻野さんはバレンタイン野球をどう体現していたのか。それは今の荻野さん自身の野球観を転換させる機会にもなったようである。そして、バレンタインと吉井理人新監督には共通点があることも、荻野さんの話を聞いていると感じたことでもある。(取材・文 氏原英明)

荻野忠寛さんのオフィシャルページ

ーー荻野さんは2007年にロッテに入団されましたよね。当時は黄金時代でもあったと思いますが、まずどんなところが強かったと思いますか。

荻野 ロッテしか経験してないんで比較はしにくいですけど、雰囲気がとにかく良いのがロッテかなと思います。これが伝統的にというか。雰囲気が良くて勢いにのったら、止まらないというのがロッテ。でもその逆もあって、負け始めたら止まらないのもロッテなので、そういうチームかなと思います。

ーー勝利が多くなる時はどう違うんですか。

荻野 ロッテに限ったことじゃないんですけど、プロ野球はコンディションだと思うんですよね。いい選手は何人もいるので、コンディションがよければ強い。怪我人が増えたりして残ってる選手にしわ寄せがいく。しわ寄せが行くとパフォーマンスは少し遅れて落ちてくるので、コンディションを保つというのがとにかく大事だと思います。

ーー当時はバレンタイン監督の指導を受けたと思うんですけど、どんな指揮官だったんすか

荻野 それこそコンディションについては本当に気を遣っていましたね。目先だけじゃなくて、とにかくコンディションを落とさないようにしていました。ピッチャーの球数もそうですし、連投とかブルペンの管理とか、そういうところっていうの徹底していました。野手も疲れる前に替えることもありました。

ーーえ?野手にも、コンディションを考えた起用があったんですか

荻野 例えば3安打4安打しているような選手はたくさん走っているわけじゃないですか。そういう選手は活躍した次の試合で出さなかったりしました。周りからは調子がいいのになんで試合に出さないんだ!みたいになるんですけど、バレンタインはいっぱい走ってるから、他の選手より体が疲れている。だから休ませる、と。本当にコンディションを落とさないっていうところに、かなり注意していました。吉井さんもバレンタインのもとでプレーしてますし、アメリカでも長くやってるので、そういう意識はかなり強いんじゃないですかね

ーー当時のブルペンではどんな管理があったんですか?

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