限界突パ

【限界突パの視点】エスコンは走者優位?条件で変わる走者二塁からの本塁生還率。100%生還する意外な名前。

エスコンフィールド

みなさん、こんにちは。信州上田在住、市井の野球好き、しばかわです。野村ID野球と出会い、《野球を記録で語るおもしろさ》にドハマリ。今ではさまざまなデータを自ら集めて野球観戦を楽しみ、好きが高じてプロ野球選手名鑑の製作に参加するぼくが、このたび氏原さんにお誘いいただいて始めた不定期更新コラムの2回目になります。

前回ふだん可視化されにくい「走塁」についてピックアップしました。

なかでも最もありふれたイベントで、かつその走塁が直接スコアになる重要度の高い「走者2塁からの単打」のベースランニングについて、今季のパ・リーグ平均値、各球団の成績を確認しました。

今回はその続きです。

得点圏、外野にシングルヒットが飛んだとき、2塁走者の本塁生還率はどのくらいなのか。
じつはこの数字、前回お伝えした値がリーグ平均値になるんですが、状況や条件によって大きく様変わりするのです。
(成績は全て6/30終了時)

たとえば、アウトカウント。0アウトのときは、たったの36%しかありません。
得点圏という期待感高まる魅惑のフレーズからは、およそ想像もつかない低い数字でしょう?

「0アウトなんだから、もし本塁アウトになったら、大変もったいない!」
「無理して突入して本塁憤死しようものなら、試合の流れを手放しかねない!」

おそらくこういう攻撃側の心理が働くからだと思われます。
守備側が守りにくいとされる3,1塁を作って、じっくり腰をすえて攻め立てあわよくば複数得点を。そんな思惑もありそうです。

だから、0アウトのとき攻撃側は基本、確実にセーフになるというタイミングにしかホームを狙ってきません。実際、0アウトで2塁走者が本塁憤死したケースは、ここまでパリーグでたったの1例だけになっています。

これがアウトカウントが増えていくと、本塁生還率も上がってきます。アウトが増えるとそのぶん攻撃側の得点機は減りますから、多少のリスクをとってでもアグレッシブな走塁で本塁を狙ってくるんですよね。

驚くことに2アウトになると、数字は一気に75%まで跳ね上がる。

0アウト 36%
1アウト 42%
2アウト 75%

0アウト1アウトと2アウトの違いは、3アウトで攻守交代になるところです。

たとえば0アウト1アウトなら中飛や遊直で飛び出した2塁走者が戻れずゲッツーというリスクを考えなければなりません。しかし2アウトの場合はそのリスクが存在しません。そのため、2アウトのとき2塁走者は、かなり大胆なスタートを切ることができるわけです。

この件に関して、ライオンズのおかわり君が語る興味深い記事を見つけましたので、ご参考までに。

西武 中村 走塁論語る「ストライクの軌道ならゴー それくらいじゃないと遅い」 (スポニチアネックス 2020年1月8日 05:45)

パ・リーグ平均55%の本塁生還率。この数字は打球方向でも変化してきます。

(残り 2075文字/全文: 3326文字)

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