限界突パ

甲子園のクライマックスは「ロボット化球児」VS「主体性球児」の対決

おはようございます。
編集長の氏原英明です。

甲子園取材も終盤戦を迎えてます。
あと数日もすれば、関東へと戻り、プロ野球の取材に復帰できます。

その前に、準決勝と決勝戦があるので、大仕事が待っています。

過去に、僕の記事がYahoo!トピックス!に掲載されたことは何度もありますが、その最も多いのが、高校野球の準決勝戦、決勝戦です。おかげで、記事に書いたオピニオン原稿から連盟が動いたこともあるほどなんです。

そこで今日は準決勝・決勝がどういう展開になっていくかのお話したいと思います。優勝予想というより、この2日間を楽しむネタにしてもらえたらと思います。

準決勝のカードは

・仙台育英ー神村学園

・慶應義塾ー土浦日大

このカードを見て、みなさん、何か気づくことはありませんか。

丸刈り同士、髪形を自由にしているチーム同士の対決なんです。
つまり、決勝戦は、丸刈りのチームと髪形自由のチームが戦うことが決まっています。旧体制の野球と先進性のあるチームが覇権を争う。

どちらの野球が正しいかを争うという意味ではなく、今の高校野球界を示す決勝戦になるということです。

僕が長く高校野球の取材をしていて、現時点で丸刈りの高校と髪形自由の高校の違いは、勝つためにロボット化されたチームか、主体性を持った選手たちのチームかの違いだと思います。

丸刈りの学校全て、髪形自由の学校全てがそうだというわけではありませんが、今のところ、そうした特徴が出ていると思います。しかし、「勝つためのロボット化」」は今に始まったことではありません。以前から、高校野球はそうした選手たちをたくさん生み出してきたのです。

最も、ロボット化が悪いと僕は思いません。ある程度の野球の哲学を教える上では必要な場合もあります。日本の多くのプロ野球選手はその中で育っていっていますからね。ただ、最近はそうじゃない選手も育ってきていて、野球界は新しいフェーズに入ったとも言えるでしょうね。

ただ、ロボットチームが面白く無くなってきているのも事実です。だから、今大会が示すのは「どちらが正しいか」ではなく、「どちらを目指したいか」の投げかけであると思います。これから10年で高校野球は大きな二極化のうねりがやってくるのではないでしょうか。

カードだけを見ると、そんな印象があります。

普通にいけば、仙台育英と慶應義塾の決勝だろうというのが大方の予想です。今大会、慶應義塾は何かと話題になっていますが、そこと連覇を狙う仙台育英。話題としてもいいカードでしょう。日本高野連も望んでいるはず。

しかし、日本高野連の思惑通りにいかないのが高校野球でもあります。高校生の底力を侮ってはいけません。その下馬票をひっくり返すのが高校野球の面白いところでもあるのです。

ひっくり返す可能性があるのは神村学園の方かもしれません。

その理由は神村学園の背番号「10」の黒木投手の存在です。圧倒的な「個」の力を持っているからです。左腕から繰り出されるスライダーはなかなか打つことはできません。

チームとしての高いクオリティ、「個」の能力も高く、全てが揃っているというのが仙台育英ですが、そのチームを力でねじ伏せることができる可能性があるのが黒木投手であるということ。

問題はその黒木投手の起用法をどのようにするかです。

僕は先発させるべきだと思いますが、監督の小田大介さんにその勘があるかどうか。
もちろん、仙台育英の投手陣をどう打つかも課題ではあります。優勝を狙う仙台育英はサウスポーを持ってきて、少しでも打たれたら、盤石の湯田〜高橋の継投に持っていく算段でしょう。

しかし、黒木投手が投げるまでに決着がついていたら、仙台育英の思惑通り。
そこをどういうふうにしてくるかでしょう。

一方、もう一つのカードは慶應義塾が有利だと思います。

その理由は投手起用に余力があるのが、慶應義塾だからです。どちらも、複数枚用意していることに変わりはないのですが、選択肢が多いのが慶應義塾です。土浦日大がエースの藤本投手に頼らざるを得ない状況です。

投手はいるにはいるのですが、この大一番でどんな起用ができるかですね。土浦日大の小菅監督はあの木内監督の教え子。「小菅マジック」に期待ですね。

さて、甲子園の決着はどうなるのか。
楽しみです。

みなさんも、普段はプロ野球を見ていると思いますが、僕の展望を読んで楽しんでもらえたらなと思います。

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