限界突パ

思考から“獅考”への転換。一流アスリートを生み出すための部署「人財開発部」が果たす”潤滑油”としての役割。第3回インタビュー【特集 ライオンズは変わるのか】

2020年から新設されたのが「人財開発部」。およそ聞き慣れないその部署は選手の内面をサポートして成功に導く。対話をメインにして目標設定から日々のフィードバックまで寄り添っていく。同部のチーフを務めるのが青木智史氏。NPBのプレー経験はもちろん、大学の指導者としての経験もある。来季からはファーム育成コーチも務める青木は選手とコーチをつなぐ潤滑油として選手の育成を支えている。(取材・文 氏原英明)

来季から育成コーチ兼人財開発部チーフを務める青木智史氏。

――来季からはコーチ就任にされました。その打診を受けた時はどういう感覚、気持ちですか?

青木 お話をいただいた時は本当に嬉しく思いました。また、その時点で自分は何ができるのだろうと色々考えました。

――人財開発部チーフを継続されながらやることにはどういった意義がありますか。

青木 技術以外のところのコーチングを重視すべきだと感じています。選手が練習に取り組むにあたっての、事前の思考の準備や、自発的に練習計画を立てる事など。選手が指示を受けたことをやるのではなく、「今日の自分は何をしたいのか?」をグラウンドに持ち込めるような選手を増やすことが一つ大事な役割だと思っています。日頃から人財開発としてはコミュニケーションを大事にして「今、選手が何を試したいのか」「どういったマインド状況なのか」をしっかり把握した中で、 本人が実際にやろうとすることがグラウンド上で表現できるように後押しをする。そこが一つ役割としてあると感じています。

――人財開発部の役割を教えてください。

青木 自立した選手を育成することが自分たちの役割だと感じています。人財開発内では「選手の成長サイクルの加速に繋がるような行動変容が自発的に発生する」ように、まずは寄り添ってサポートをする存在が必要という想いをもって活動をしています。

――青木さんはNPBから始まっていろんなところでプレーし、 たくさんの選手を見て来られたと思う。 アスリートとして成功していく人、そうでない人の差が人間的な部分であったり、 感じたことはありますか?

青木 やはりコミュニケーション能力が長けている選手が成長するのが早く、 次のレベルへの到達をより早く達成することができる。成功を収めた人とお話をすると、 そう感じる事が多いかなと思います。話し方もそうですし、 質問や回答の振る舞いというのがすごくしっかりしている人が多かったかなと思います。コミュニケーション能力と成功が比例して繋がっているところはあると感じています。

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