限界突パ

【検証2023 楽天③「反転攻勢」】今江敏晃コーチの配置転換から7月は15勝7敗と猛チャージ。3人の新戦力が躍動しチームに活気。

今年の楽天は順位こそ昨年と同じ4位だったが、首位とのゲーム差は前年6.5から17.0に拡大した。10年連続V逸の余波は大きく、最終戦から2日後に石井一久監督が退任。2018年9月のGM就任から始まった石井体制にピリオドが打たれた。なぜ楽天はオリックスに決定的な大差を許したのか? 今年の戦いを、SNS総フォロワー数5800人の鷲ファンで、河北新報Web版の連載コラムも好評のしばかわが、全4回の短期集中連載で振り返る3回目。

●6月7月:25勝20敗

7/4東京ドームに4万人超を集めた主催試合でレジェンドが大炎上した。

10年前は快刀乱麻だった田中将大が、この日はオリックス相手に初回1死もとれず5失点。結局4回9失点を喫し、乱打戦をE7-9Bで競り負けた。

最下位・楽天は、首位浮上したオリックスに今季最多タイ13.5ゲーム差をつけられ、借金も今季最多タイ13にふくらんだ。

しかし、今年はここからが見せ場になった。

例年夏場の失速がお決まりの楽天が、今年は御前試合で底を打つとCSに初進出した2009年を彷彿とさせる反転攻勢を仕掛けていく。球宴前に8連勝。7月が終わるころには借金は4まで減っていた。

いっぽう、オリックスと激しい首位争いを繰り広げたソフトバンクは楽天に3タテくらい54年ぶりの12連敗へ。最大15あった貯金は8/26には全て吐き出し、オリックスの独走を作った。

話を楽天に戻す。貧打で苦しんだ打線は、テコ入れのため5/26に1軍打撃コーチに着任した今江敏晃の指導が徐々に浸透し、7月のチーム打率.281は12球団1位を記録している。

7月攻勢は15勝7敗。6月に1軍定着の足がかりをえた新戦力3名の躍動が、チームを奮い立たせた。

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