【検証2023 西武編「悪循環」】離脱者続出で5月に大失速。ベテラン・中村剛也が奮起も、悪循環を招いた主砲不在。
松井稼頭央新監督を迎えた2023年はリーグ5位に沈み、ポストシーズンに進むことなくシーズンを終えた。常に優勝争いをしているのが黄金期の西武だと考えると、さまざまな事情があったにせよ、この結果は、当然、納得できるものではない。では、この1年はどんなところに問題があったのか。「検証2023 西武編」の第2回目は主砲の離脱が招いた「悪循環」。5月の大失速の要因を振り返る。(取材・文 氏原英明)
まさかその離脱が、これから長く続くダメージになるとは誰も思わなかったに違いない。
開幕戦をホームで迎えた西武は1勝2敗と負け越したものの、投手陣の安定ぶりは期待を頂かせるものであり、かつての山賊打線を看板にしたチームとはいかないまでも少ないチャンスをしっかり得点にして逃げ切っていくだけの野球のイメージができていた。
平良海馬の先発転向によるブルペン陣の層の薄さは気になったものの、シーズンを通して見つけ出していくことになるくらいでよかった。
だから、開幕を前にしての源田離脱に続いて、同じWBC代表の山川穂高が怪我で離脱した時はそれほど大きなものとは誰も感じなかったに違いない。
なぜなら、西武にはもう一人のスラッガーがいたからだった。
「まだまだ上手くなりたい」
開幕2戦目にシーズン初本塁打を放った中村剛也の存在は3、4月の西武においては貴重な存在だった。
主砲不在の間は中村がいる。年齢的に1年間のフル出場は難しかったとしても、時には山川以上にも見える存在感を出してくれれば、いい形でチームは上位戦線に残れる目算だった。
中村は3、4月の月間MVPを獲得。打率364 7本塁打14打点と圧巻の打棒を40歳を迎える年になっても見せつけてくれていたのだった。
筆者は、この頃の中村を見て、あることを期待していた。
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