限界突パ

キャンプ中の臨時コーチに大義はあるのか。西武のレジェンド・松坂大輔氏が伝えたかったこと。「僕は新しい球種を使う時は〇〇をします」。【2024年春季コラム リポート】

ルーキーの糸川のピッチングを見つめる松坂大輔氏

西武のレジェンドは2回目となる臨時コーチの役目を終え楽しみを覚えたようだ。

「楽しみを感じましたね。臨時なんで短期間なんですけど、もっと見てみたいという気持ちになりました。シーズン中に気づくことがあれば、豊田コーチに連絡しようかなと思います」

第2クールの4日間、OBの松坂大輔氏が西武の南郷キャンプを訪問。投手を中心に指導にあたったのだ。

「去年話した選手もいるので、昨シーズン中に気づいたこともある。そんな話をしていきたいと思います。去年とはまた違った形になるかなと思う」

プロ野球キャンプが活況を迎えるこの時期は松坂氏のように臨時コーチに就任するケースが多い。
これは最近に始まったことではないが、西武に限らず多くの球団が採用している。

しかし、その効果はあまり語られることは少ない。そうした方々の顔があるから「意味がなかった」とは言えないだろうが、臨時コーチの意味は考えるべきだろうと個人的には思う。

臨時コーチが就任する意味は特質なスキルを習得すること、意識の持ち方を伝えるくらいしかないからだ。

例えば、盗塁の極意、あるいは変化球の投げ方、マウンド上での考え方などである。
そうした特別なスキルは選手にヒントを与え、ちょっとした変化を呼び覚ますこともある。

しかし一方、フォームやトレーニングなどは短期間で指導したところで、変化はない。むしろ、それまでの行程を無視した路線の変更は選手を混乱に招くこともある。シーズン中に変化していくこともあるし、余計な介入は極力しない方がいい。

特に、バッティングの臨時コーチは効果は薄いのではないかと思う。

「気づくことはたくさんあるんですけど、そこは豊田コーチと相談しながら話すようにしていますね。これは言っていいのかとか。確認は怠らないようにしている」

さすが松坂氏である。投手というデリケートなポジションをよく理解していると言えるだろう。極力「余計なこと」は言わないようだ。選手から聞かれることに答えるのを中心にしていて、そして、それらは「変化球の投げ方」や「マウンドでの気持ちの持ちよう」なのだという。

そんな松坂氏が取材の中で終始一貫して話していたことがある。

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