限界突パ

今季初本塁打は9回土壇場の同点弾。西武・中村剛也が試合後に語った「1死だったから良かった」の真意とは?

「神頼み」に近かったといっては失礼か。
10日の西武ーロッテ戦、1点ビハインドの9回裏、西武はすでに1死を取られ苦しい展開だった。それも相手投手はクローザーがマウンドに上がり配色濃厚といって良かった。
できれば一発で追いついてほしいとは思う。しかし、前日は今季初の完封負けを喫し、この日も打線がつながりを欠いていただけに、そこにすがるしかなかったのもまた事実だった。

「1死だったし、むしろ、それが良かったと思います」

そう振り返った打席の中村剛也はカウント2−2からのストレートを一閃。左翼スタンドに飛び込む同点本塁打を放ったのである。
起死回生の同点弾。今季初本塁打は21年連続の球団初というメモリアルアーチでもあったのだが、これしかないという得点パターンの一番難しいことを簡単にやってのけるのだから恐れ入る。

中村が中村たらしめるもの。
それは圧倒的なパワーや何年も改良を重ねてきた技術だけではない。
中村らしさを表現すると打席での「考え方」にある。

(残り 1314文字/全文: 1734文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ