限界突パ

ベルーナドームはブーイングの嵐。ソフトバンク・山川穂高と元チームメイトたちの息遣い。

ブーイングというより怒号。
それは試合前から今までに聞いたことのない”ファン感情”だった。

4月12日のベルーナドーム。
西武対ソフトバンクの1回戦はかつてみたことのない空気が試合前から充満していた。

スタメン発表からそれは始まった。
「4番・指名打者・ 山川穂高」のコールががかき消されるほどのブーイング。その後、ソフトバンクファンがスタメン選手の応援歌を順番に奏でても4番のところでその音は消えた。

ファン感情は仕方ない。FA選手の宿命だけではなく、そこに色々とある。昨季のこと、FA宣言での挨拶文のこと諸々。

ただ、それは今年のプロ野球の1シーンを飾るものとして決して悪いものとは見えなかった。

ブーイングをし続ける西武ファンと「レフトへぶち込め山川」と対抗するソフトバンクファン。綱の引っ張り合いがこの試合を興味深くさせていたことは間違いない。

一方、”選手感情”はどうなのか。

試合前の練習では山川自らが西武の首脳陣に挨拶をしに回ると、そこに選手たちが寄ってきた。

そのうちの一人が、この日、一時は先制となるタイムリーを放った佐藤龍世だった。

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