限界突パ

「強打者」とはどんな打者?西武・中村剛也と貧打にあえぐチームメイトとの決定的な違い。

良いバッターとはどんな選手のことを言うのだろうか。

 数字だけで言えば、打率を残せて、ホームランを量産し、打点を稼げる。それら全てを網羅することができる打者は最強打者と言われるだろう。しかし、それはあくまで出た結果に対してのことだ。

重要なのは彼らがいかにして結果を残しているかだろう。

最下位の西武打線が苦しんでいる。どの選手も昨季、1軍でプレーした選手ばかりで、少なからず昨年からの上積みを期待したが、現在のところ、貧打に喘いでいる。

一方で、主砲の中村剛也だけが5本塁打を放って気を吐いているが、かつて6度のホームラン王を手にした彼と他の選手では何が違うのだろうか。

「難しい球を打つ練習なんて、そんなしてないんですよ。いかに甘い球を打つか、そればっかり考えていますね」

以前のインタビューで中村と話した時、そんなことを口にしていた。

中村が「難しい球を打つ練習をしていない」と語るのはとても意味が深い。 これはつまり「自分は打つべき球を打っている」と言い換えることもできるはずだ。

 投手と打者が対戦を制してく上で重要な言葉なのかもしれない。

投手側の目線から考えれば、打者を打ち取るためには、いかに、打つことが難しい球を投げるかを考える。しかし、中村のように「甘い球を打つことしか考えていない」と語る選手がいる。両者の間では一体何が起きているのかを考える必要がある。そして、中村はどうして甘い球が来ると考えてられるのだろうか。

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