限界突パ

上り調子の西武・金子侑司がたどり着いた境地。「自分の調子より大切にしたいこと」。

若手が伸び悩む中、中堅世代に差し掛かった男の奮闘が目立っている。

「人に言えるような数字は残っていないんで、調子がいいとは言えないと思うんで、そう言えるようにしたいですね」

そう語る金子侑司は1000試合出場を達成。4月24日の誕生日には自らを祝うように、9回表に同点タイムリーを放った。そういうタイプではないが、すでに2本塁打を放つなど47試合しか出れなかった昨季とは変わってチームを牽引している。打率は.250だが、出塁率はチーム2位の.333。

開幕前、2軍スタートとなったキャンプからようやく1軍に合流した時に声をかけたところ、意外な言葉が返ってきた。今シーズンの意気込みを聞いた時だ。

「明るく元気にプレーしてるところを見てもらうと思います」。

若手が言いそうなそんな言葉に一瞬戸惑うと、金子はこう続けた。

「昨年は厳しい声をたくさんスタンドからいただいたので、今年は何とか元気を出して明るくやろうと思っています」

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