限界突パ

【不定期連載・西口采配を考察】仕掛けの遅い采配から一転。リード不満の古賀の交代と源田の代打から見せた変化。

開幕から3カードを消化した。開幕3連敗を喫した昨年のパ・リーグ王者ソフトバンクを危ぶむ声が出るなど、開幕早々、あれ気味ではある。やや騒ぎすぎな感は否めないが、新監督を迎えた昨年最下位の西武の動向も気になるところだ。西口文也新監督の采配が早くもSNSで騒ぎになるなど注目を浴びている。高校野球からメジャーリーグまでを取材し、チームビルディングにスポットを当てた取材を展開する編集長の氏原英明が不定期ながら、西口監督の采配を不定期で考察していこうというのがこの企画だ。「その通りだ」、「いや違う」、「俺はこう思う」。そんな議論になってくれればと思う。

まず、ここまでの結果を振り返る前に、開幕前までの西口監督の采配について感じたのはチームを固めるのがやや早すぎるのではという印象だ。

今の西武は周知のように、投手力の充実はあるにせよ、チームの骨格が決まっていない。レギュラーがほとんど白紙の状態から始まっている実情があり、これは「弱さ」であり、楽しみな面もある。いわば、チームの骨格は開幕前に決めてしまうような段階ではなく、常に、競争の中においておくことが必要だ。最後の最後まで開幕メンバーが誰になるかわからない。そうした競争を敷いていくことで、チームは強くなっていく。

しかし、春季キャンプを終えて少しの実践をこなして所沢に戻ってきた時のチームの雰囲気はほぼ開幕メンバーが決まっているような空気感だった。メンバーにはキャンプ組が残っていたり、キャンプB班が合流していたりしていたものの、チームを目の前にして選手の意識にはギラギラしたものはなく、レギュラーになれない選手からは「諦め」のような空気を感じたものだ。結果が同じになるにしても、こうした空気は昨季91敗のチームが持つべきものではないように感じたものだった。鳥越裕介ヘッドコーチを招聘し、勝利への執着という部分の厳しさは感じたものの、目に見えないところの空気感には物足りないものを感じたものだ。

ただ、これは仮説だ。

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