限界突パ

西武が今季ベルーナで初勝利。エース今井達也の好投に応えた西川愛也が「自分の成長につながる」と振り返ったワケ。

それは長い夜が明けるのを予感させるかのようだった。

西川愛也に今井達也。お立ち台に並びだった、ともに、夏の甲子園優勝経験を持つスターの輝きにライオンズの光を見た。

「嬉しいっす、マジで。今年、僕は結果を残さないとチャンスは少なくなってくると思んで、今年は掴み取りたい。だから、今日は良かった。デカいっす」

7回裏に決勝タイムリーを放った西川は試合をそう振り返った。

西武ーソフトバンク、エース同士の投げ合い。毎週金曜日が投手戦になることは誰もが知っている。カード頭であり、開幕投手が登板してくることが多い日。試合はそんな緊迫感を絵に描いたような投手戦で推移した。

「ストレートは今までで一番良かった。初回は低め低めに投げようとしすぎていた。ストライクからボールになるスライダーを振らせるというイメージで投げていたんでそうなったんですけど、それを試合中に修正できたので良かった」

今井が試合をそう振り返った前半戦1番のハイライトは4回表・二死走者なしでソフトバンクの主砲・山川穂高を迎えた場面だ。3回裏に相手守備のエラー絡みで1点を先制した後のイニングだ。

1ボール2ストライクと追い込んだ後、真ん中高めに156キロの真っ直ぐを投げ込み空振り三振。
ピンチでもない場面で雄叫びを上げた今井に並々ならに想いを感じたものだ。

今井は話す。

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