【不定期連載・西口采配を考察②】隅田の完封を演出した突然のポジションニングの変更。西口采配が見せた勝利への執念
西口監督のインタビューは嘘がなくていい。
囲み取材では時に笑い声が聞こえてくるほどで、関西人特有の語り口はサービス精神旺盛でユーモアに満ちている。
例えば、2−1で勝利した4月18日のソフトバンク戦では追加点を奪えずに苦しい展開ながらもエース今井達也の好投などで勝利。試合後のインタビューで「効果的に点を取れた」とテレビインタビューで質問をされると「取れてません」とコメント。そこには怒りも嘆きもなく、ジョークっぽく聞こえるように挟むのは西口ワールドと言える。実際、追加点を取れていれば楽な試合だったわけで、効果的な点の取り方をしていない。そこを卑屈にいうわけでもなく笑いを挟むのはとても好感が持てる。
僕のようなフリーランスのインタビューでもまともに答えを探してくれる。渡辺久信監督代行もメディアに対しての対応はすこぶる良かったが、キャラクターが全面に出ているのは西口監督の良さでも。
前回の考察コラムは配信したのが4月8日のことでそこから10日余りがあった。あれから西口監督の采配は変わったのか、考察したいと思う。
4月19日には貯金1を記録するなど、昨年と比べてはいい滑り出し。「この時期に貯金するとは誰も思わなかったでしょ」と誰かの胸の内を察したかのような西口節だが、采配も変わりつつある。
前回の記事では「固めすぎではないか」という切り口を書いたがあっさりと打線を変更。開幕直後に筆者は「源田の調子が上がったら1、2番に上げる予定はあるか」と聞いたところ「そのつもりはない」と即答されたものだが、13日の日曜日からは長谷川信哉をスタメンから外した。オープン戦から固定してきた西川愛也との1、2番コンビを解体。源田の2番器用に踏み切った。頑固一徹にというところではない部分は柔軟性と受け取れる。源田は怪我で離脱してしまったとはいえ、長谷川の力量に一旦、見切りをつけたのは賢明な判断とも言える。
一方、試合での采配では19日のソフトバンク戦で好判断も見せた。隅田知一郎が完封劇を見せて1−0で勝利した試合だ。
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