テツの男泣き。それが全てを物語る。
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REVIEW
日本生命B2 PLAYOFFS
SEIMI FINALS 2023-24
滋賀レイクス vs 山形ワイヴァンズ
@滋賀ダイハツアリーナ
昼下がりのTEEタイム
GAME3までもつれた青森ワッツとの「日本生命B2 PLAYOFFS QUARTERFINALS 2023-24」を制した滋賀レイクス。続くセミファイルでは山形ワイヴァンズをホームに迎えた。2勝すれば目標である「1年でのB1復帰」が果たせる大一番。チケットはSOLD OUT。昨シーズンのB2降格を知る人も知らない人も、ワクワクとドキドキを抱えて滋賀ダイハツアリーナに駆けつけた。
クオーターファイナルの青森戦ではGAME1を落として苦しんだ。同じ失敗を繰り返さないために、レイクスは山形戦のGAME1の第1Qからエナジーを出して戦った。だが、山形のエースであるジェームズ・ベルに対する守備の部分でダビー・ゴメスHCと大黒柱ジャスティン・バーレルの間で言い争いが発生し、なんとなく不穏な空気が流れた。スコアは26-21とリードしたものの、チームとして試合に入りきれないまま第2Qに突入してしまう。そして山形にペースを握られ、46-47とリードを許す形で前半を折り返すことになった。
そんな嫌な流れを変えたのは昨シーズンまで山形に所属していた“TEE”こと田原隆徳だった。田原はセミファイナルに向けた記者会見で「B1昇格をかけた試合で山形と対戦するとは思っていなかった。古巣というのもあって強い思いもありますし、だからこそ自分たちの本気をぶつけたい」と話していた。その想いが第3Qのプレーに溢れ出す。持ち味であるハードディフェンスのギアを上げてチームにエナジーを注入すると、徐々に流れはレイクスへ。そして第4Q残り2分27秒という大事な場面では自ら3Pシュートを決めて逆転に導く。これで一気に勝ちムードを掴んだレイクスはキーファー・ラベナや湧川颯斗らのスコアでリードを広げ、最大11点ビハインドという劣勢だったゲームをひっくり返してみせた。
ダビー・ゴメスHCはバーレルとの言い争いの場面について、良いことも悪いことも直接話し合える良好な関係性であると前置きした上でこう説明した。
「話した内容は、最後の部分で相手を抑えるということです。ベル選手がメインでスコアできれば前半のようにたくさん得点を取られますし、そうでなければ少ない点数になります。(中略)相手の個人的なシュートが成功した理由が、自分たちの個人的な失敗によるものだったという部分があったので、そこを(バーレルに)最初に伝えました」
また、チームを勝利へ導いた田原は「ディフェンスから、という(自分の)マインドは変わっていない。そこを徹底した結果が実を結んで、最後勝ち切れたと思います」と話した。昼下がりのティー(TEE)タイムではないが、田原のあの時間帯がなければ違う結果になっていた可能性もある。まさに紙一重のゲームだった。
2024.5.11 GAME1
滋賀レイクス 91-86 山形ワイヴァンズ
モリの想いが伝わった前半
今シーズンの滋賀レイクスは特別指定選手の江原信太朗を含めて14選手が所属している。うちロスターに入れるのは1試合12名。つまり、毎試合2選手がベンチ外でチームをサポートすることになる。
山形とのGAME1でロスター外となっていたのは山崎 凜と森山修斗。昨シーズンの降格の悔しさを知る森山にとってはもどかしい1日となった。だが、GAME2では山崎と眞庭城聖がロスターから外れ、森山が復帰する。試合前には雑念を振り払うように淡々とシューティングを繰り返していた。
滋賀出身の森山は昨シーズンの降格時の風景が忘れられないという。「チームを降格させておいて言うのもおかしいですが、自分もレイクスブースターですし、B1に残留できなかったことが悲しかった。みんなが試合後に泣いている光景は目に焼きついています」。そして「もう一度、レイクスをB1に戻すためなら何でもやります」という強い信念をもって今シーズンを戦ってきた。そんな森山にとって、B1復帰が決まる可能性のある山形とのGAME2は、この1年の想いを全てコートに刻むための一戦だった。
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