「関西プレミア第1号」でB.プレミアへ。
滋賀レイクスが「B.LEAGUE PREMIER(B.プレミア)」初年度(2026-27シーズン)からの参入を決めた。10月17日にリーグ側からクラブライセンス交付の知らせを受け、株式会社滋賀レイクスターズの原毅人代表取締役社長は「メディアの皆さんには“関西プレミア第1号”の見出しで、ぜひ!」と喜びを表現した。
10月17日の14時30分頃、大津市内に設けられた特別会見場にはレイクスの社員(約40人)が集まり、「B.LEAGUE PREMIER」クラブライセンス交付の発表を待っていた。その中にはbjリーグからB1リーグ参入が決まった2016年にキャプテンを務めていた横江 豊(現滋賀レイクスU15アシスタントコーチ)の姿も。「U18やU15の選手にとってもプレミアのユースチームだという意識が芽生えると思いますし、非常にうれしく思います」。2026年の「B革新」において誕生する最上位ディビジョンへの参入決定は、地域の活性化はもちろん、クラブがさらに成長するための起爆剤になりそうだ。
クラブライセンス交付までの道のりは平坦ではなかった。審査対象の2022-23シーズンには平均来場者数が審査基準の3000名を下回った。原社長は「売上高12億円、平均来場者数3000名、そしてアリーナ基準をクリアしないとB.プレミアには進めないという中で、どれも非常にハードルは高かったです。売上高は2022-23シーズンにクリアしていたとはいえ、集客面では3000人を下回っていました。正直、不安な気持ちもありましたし、何よりアリーナ基準のクリアの部分は非常に困難でした」と振り返る。
2023-24シーズンはクラブ初のB2リーグでの戦いだったにも関わらず、平均来場者数3560名、売上高12.8億円を達成し、3次審査基準をクリアしていた。だが、アリーナに関してはVIPラウンジ、スイートルーム、トイレ等の設備に関してはなかなか基準をクリアできずにいた。「実際、昨年末にはダメかもしれないなという雰囲気もありました」と原代表は会見で打ち明けた。
最終的には今春に民間資本で滋賀ダイハツアリーナをプレミア仕様に改修する計画(滋賀県から許諾)でアリーナ問題の解決にこぎつけた。時期を同じくしてチームはB1復帰およびB2優勝という快進撃を見せた。少なからず、チームによる影響もあったようだ。
「瞬発的な喜びとしてはB1昇格やB2優勝の時の方が、筋書きがない点で大きかったと思います。今回(クラブライセンス交付)はその都度、その都度で多少の手応えはありましたので瞬間的なもの薄いです。ただし、どちらの意味合いがこのクラブの将来にとって、あるいは地域にとって大きいかというと、B.プレミア参入の方が長期的にみて大きな喜びになるのではないかと思います」(原社長)
2016年のB1リーグ参入からレイクスはアリーナ問題に悩まされてきた。今回も最後まで争点はアリーナだったが、長年の難題をクリアできたことでクラブとしてのフェーズは変わったと言えるかもしれない。原代表はこうも話している。
「滋賀レイクスがB.プレミアに入っていくということは大きな意義があると思っています。滋賀で唯一のプロスポーツクラブとして誕生した歴史があるわけですし、滋賀県内でトップリーグの試合が観られる、それも野球やサッカーに次いで現在すごく伸びているバスケットのプロの試合が観られる環境は滋賀県にとっても大きな意義があると思っています」
滋賀レイクスとしては、B.プレミアの初年度となる2026-27シーズン終了までの3年間で「CS出場」「売上高17億円以上」「「環境・教育・健康」に関するSDGs活動/年160回以上」「ファンクラブ会員6000人以上」「従業員の平均年収500万円以上」という5つのゴールを目標に掲げている。今回のクラブライセンス交付によって、この5つの目標がより具体性をまとったといえるだろう。
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