全裸自転車の陰毛をカウントしました––毛から世界を見る 59-(松沢呉一)
「脇毛を剃ってはいけない女子校がある?–毛から世界を見る 58」の続きです。
全裸ムーブメントと陰毛
このところ、「刑法174条・175条の見直し」シリーズ「補足編」の関係で、公共の場での全裸動画ばっかり観ていて、その流れでひさびさに陰毛の話をしておきますか。
「公共の場で開催されているキンタマもスジも丸見えのイベント—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[補足編 1]」で確認したように、ボディペインティング派はたいてい陰毛がありません。脇毛は言うまでもなく。
毛があるとペイントしにくいということもありましょうが、そのために剃っているわけではなく、もともとない人たち、つまりは人目を気にする人たちがボディペインティングに向かっているのだと思います。
日本でもきわどいコスプレをする人たちは、ハイレグのレオタードからハミ毛しないように丹念に手入れしているか、脱毛しているでしょう。
コスプレ派とボディペインティング派は近い。行動の動機は「私を見て」なのです。
ペインティングの過程を見せているので判断できるだけで、完成型になると、生えているかどうかなんて気にならない。実際に生えていると、そこが浮き上がるので気にするかもしれないですけど。
※ボディペインター、ポール・ロースタン(Paul Rouatan)の無料ダウンロード作品集「PRELUDE」。有料の作品集も出していますが、金をもらってペイントすることで商売になるくらいの需要があるようで、この人以外にもボディペインターは多数います。
「全裸自転車参加者は毛が生えている率が高い」仮説
しかし、ボディペインティングをしていない全裸自転車だと股間が見えてしまうので、どうしても陰毛が気になります。「私を見て」の人たちではないのに見てしまいます。けっこう生えている人がいます。男も女も生えている人の方が多そうです。
前に確認したように、とくにビーチ系ナチュリストは剃っている率が高い。水着をつけることがあり、そういう時はマイクロビキニだったりするので、ハミ毛を避ける。
プロであれアマチュアであれ、自転車競技の人たちはたいてい剃っていて、そういう人たちも全裸自転車には参加していますが、それが主流ってわけでもなくて、主体はナチュリスト(naturist)というよりナチュラリスト(naturalist)に近いのかもしれない。主催によりけり、個人によりけりですが。
ナチュラリストや社会活動系は、「私を見て」の衝動が比較的弱い人たちであることと同時に、「生えているのが自然。剃るのは不自然」といった考え方が強いかもしれない。生えていた方がチンコ・マンコが少しは隠れますしね。
自転車競技の人たちが毛を剃るのは、転倒して怪我をした時に毛が生えていると治療がしにくいためです。そのついでに陰毛まで剃る人が多いのですが、怪我した時の心配をするんだったら服を着ます。今のところ、そういう映像は観てないですが、全裸でひどい転倒をすると全身怪我をしそうです。
以下は「そうは見えないかもしれないれど、全裸自転車はプロテスト—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[補足編 3]」で取り上げたWNBRのドキュメンタリーに出てくる堂々とした陰毛です。脇毛は剃ってます。
「私を見て」の人です。髪の毛を赤く染めていることにもそれが表れています。しかし、陰毛はボーボー。
途中で自転車を降りて「My bush for President!」と叫んでます。どうしてもやりたかったんだと思います。このメッセージのためにブッシュを伸ばしたのかな。
この場合、スジが見えていると、「ビバノン」では消しを入れなければならないので、私としては生えている方が扱いやすいです。くだらねえ、法律でしょ、刑法175条。
全裸自転車の陰毛はカウントしにくい
国によって、主催によって陰毛率は違いそうなので、データをとろうと思ったのですが、これが難しい。自然と目に入っては来るのですが、いざカウントしようとすると、なかなか見えず、数を稼げないのです。
舗道からの撮影だと、ペダルを漕いでますし、すぐに画面から消えるので確認が難しい。一緒に走りながら撮っている映像は尻ばかりだったりします。二人乗りをしているのか、後ろを撮っている映像もあって、これだと確認できるのですが、同じグループで走っているため、30分観ていても、確認できるチンコやマンスジは同じです。
動画によってははっきり映っているカットは外していると思われるものもあって、全裸であることはわかっても、毛の様子を正確には確認できないのです。まして、脇毛はわからない。
公園で準備中の様子を撮っていたり、記念写真を撮っていたり、アフターパーティを撮っていたりすると、動きがあまりないのでカウント可能。
アフターパーティをやっていても、以下のようなものになると人が多すぎるのと、遠くてよく見えないので、カウントは困難です。全裸だと、ひとりひとりの個性がわかりにくいので、人が出入りしていると、誰がカウント済みなのかもわからなくなります。
この動画を静止状態で観ると、名画みたい。
ボッティチェリ「プリマヴェーラ」
同じです。
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