松沢呉一のビバノン・ライフ

テアトロ・オフィチーナの陰毛と「Naked Attraction」の陰毛–毛から世界を見る 60-(松沢呉一)

全裸自転車の陰毛をカウントしました––毛から世界を見る 59」の続きです。

 

 

 

テアトロ・オフィチーナに見るブラジルの陰毛

 

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猥褻でも芸術でも見せたい人が見せ、見たい人が見られるように—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[11]」で取り上げたブラジルの劇団テアトロ・オフィチーナの映像を観ていると、どうしても陰毛が気になるわけですよ。

 

 

全裸になる役者は男女とも十人くらいはいると思うのですが、陰毛を剃っているのが少ない。

女優のほとんどは脇毛を剃っていて、数名のみ伸ばしています。一人一人を把握するのが難しいので、何人かはわからんです。

また、男でも脇毛を剃っているのが数名います(右のSSはそれがよくわかるシーンです。彼は陰毛も剃っています)。

しかし、陰毛はどちらも伸ばしているのが多いのです。ボーボーの方がこの演劇には合っているので、そう指示したのかと思ったら、男女とも数名剃っていたり、周辺部をカットしているのがいます。すでに脱毛していた場合、どうしようもないですし、バイトでダンサーをやっていて、ハイレグのレオタードからハミ毛するわけにはいかないといった事情があるのかも。

リオのカーニバルでは入れ乳が多数見られましたが、この劇団ではおそらくゼロです。怪しいのはいますが、たぶん天然です。乳がでかすぎると、もったりした印象になりますから、向かない役が出てきてしまいます。それと、劇団員はそんなに金の余裕がありません。脱毛する金もないと思います。

私の認識ではブラジルでも女の大半が全剃りで、男も3割程度は剃っているはずです。演劇をやる人はまた別、あるいはこの劇団が別なのか?

映画の仕事が来た時に、陰毛がないことで、話がボシャることを防ぎたいのかも。世界的に陰毛を剃るようになってさほど経っておらず、30年前のブラジルを舞台にした映画で、かつ一般の人を設定した登場人物が裸になる場合に、陰毛がないのはおかしい。演劇だとそこまでのリアリティは求められないですが、映画ではうるさい監督がいそうです。

 

 

チャンネル4「Naked Attraction」の意外な陰毛

 

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続いて、「米「Dating Naked」と英「Naked Attraction」/全裸出会い系テレビ番組—そろそろ刑法174条(公然わいせつ)と175条(わいせつ物頒布)を見直しませんか?[横道編 6]で取り上げた英チャンネル4「Naked Attraction」の陰毛です。

あの番組では包茎が多いのも見所ですが(イギリス男性の7割が包茎だそうです)、ここではチンコマンコはどうでもいいとして、毛です。これもまた意外なのです。

男でもっとも多いのは無精陰毛です。カットしているだけの人。続いて全剃り。ボーボーはせいぜい6人中1名で、ボーボーに見えても、少しはカットしていたり、周辺部を剃っているのが多そうです。縮れの強い人は毛が長くても短く見えて、そこは判別がしにくくて、正確なところは不明。

また、ちょびヒゲ風など、一部を残しているのもいますが、男でこれをやっているのは1割もいない。

私の認識ではブラジルよりイギリスはもっと剃っているのが多く、若い世代、しかもこんな番組に出る男たちだと大半が全剃りかとも思ったのですが、全剃り率は3分の1程度で留まっています。どこをどの程度カットするかに個性はありますが、主流は無精陰毛なのです。私の時代。私の陰毛は浅野忠信のパクリ(陰毛のパクリではなく、浅野忠信の雰囲気を陰毛に導入)に過ぎないので、浅野忠信の時代か。

この程度で留まっている事情は番組の中で説明が出てきます。親切な番組だなあ。

 

 

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