カタルーニャとバレンシアの音楽群[9]—ポストコロナのプロテスト[139]-(松沢呉一)
「カタルーニャとバレンシアの音楽群[8]—ポストコロナのプロテスト[138]」の続きです。
アウシリ(AUXILI)
以下はシャビ・サリア+アウシリ(AUXILI)。アウシリはカタルーニャ語で「救い」の意味。
これもプロテストソングです。途中から加わるのがAUXILIのメンバー。 レゲエ+スカのバンド。
アウシリの曲。
「変わったように見えても相変わらず政治家と宗教家がパレードをしている。今日は自分らのパレードをしよう」てな歌。
レゲエと来たらホモフォビアですが、この映像を見ればわかるように、アウシリはその心配なし。歌詞でも性差別云々という言葉が出てきます。ボビ・ワインは見習え。日本のレゲエ・ミュージシャンも見習え。
アスペンカット(Aspencat)
ジャロン(Jalón)出身のアスペンカットの曲にもシャビ・サリアは参加しています。
以下には参加してないですが、「Música naix de la ràbia」(音楽は怒りから生まれる)という曲。
演奏をしているバンドとオーケストラ、口を塞ぐ鎖を開ける鍵を探す女、バイオリンを製作する男、武力と対峙する音楽を象徴するチェロ対フェンシングの4つの場面が同時進行して、最後はすべての物語がひとつになって感動を呼び起こす。ってことだと思っていたのに、肩すかしを食らいました。
マルコムXという言葉が聞こえたので、歌詞を見たら、ビクトル・ハラ(Víctor Jara)、マンデラ(Nelson Rolihlahla Mandela)、アジェンデ(Salvador Guillermo Allende Gossens)、グラムシ(Antonio Gramsci)といった名前が次々と。
直接的ではないですが、このタイトルは「憎悪は表現に不要」という裁判所の見解を批判する曲かも。
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