陰謀論も陰謀論という安易な決めつけもどちらも危険—アンスラックス再び-(松沢呉一)
アンスラックス来日の予定はなさそう
古いパソコンがそろそろ限界で、頻繁にディスプレイが真っ暗になります。ほっとくとそのうち直りますが、いつ壊れてもいいように、出すべきものをとっとと出したい。つってもまだ全部はできていないので、とりあえず、「ゲッベルスは天才」はキリのいいところで切って、明日には終わらせます。あとは別ユニットで。
その前に気分転換。
古いパソコンだと、Googleアナリティクスも一部しか表示されないのですが、リアルタイムの動きを見ていたら、「アンスラックス(炭疽菌)が生物兵器に向いているのに対してコロナウイルスは向いていない—新型肺炎(COVID-19)について触れにくい事情[3]」へのアクセスが続けてありました。
「更新して1年以上になるのに今頃なんだろう、アンスラックスが来日でもするのか」と思って、アンスラックスのサイトまでチェックしてしまいましたぜ。
当面国外ツアーはなさそうです。
陰謀論という決めつけを多用する人は信用できない
そのあとニュースを見ていて理由がわかりました。一昨年11月に、武漢のウイルス研究所の研究員3名が体調不良で治療していたとウォールストリートジャーナルが報じたことの影響ですね(入院としている報道もあります)。パソコン事情から、ニュースのチェックも甘くなっているので、数日遅れで知りました。
「アンスラックス(炭疽菌)が生物兵器に向いているのに対してコロナウイルスは向いていない」は、武漢ウイルス研究所から漏れた可能性を指摘する意見に対して、中国共産党の太鼓持ちたちが「陰謀論だあ」とバカ面下げているのに対して、「生物兵器説」と「研究所から漏れた説」はイコールではなく、後者の可能性は否定できないこともわからんのかと呆れて指摘したものです。共産党を擁護したい思いが先走りすぎです。
皆さんもう忘れていそうですが、そもそも中国政府は「武漢肺炎」発生からしばらくは隠蔽工作に走っていたことは確定している事実です。その上でなお中国共産党に媚びる輩たち。
このあと出てきますが、ヒトラーの独裁政権樹立はジャーナリズムのレッテル貼りに一因があります。レッテル貼りは「複雑な話を簡単に考える人の武器」。「複雑な話を簡単に考えた」のがナチス台頭の原因であり、複雑な話を短い言葉で断定するのがヒトラーやゲッベルスの演説術でした。この元ネタはル・ボンの『群集心理』です。
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