松沢呉一のビバノン・ライフ

NewJeansは自ら崖っぷちに—韓国のポップスに浸ってみた(4)-(松沢呉一)

不祥事で自爆していくK-POPアイドルたち—韓国のポップスに浸ってみた(3)」の続きです。

 

 

泥沼バトルに泥を追加するNewJeans

 

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NewJeansがYouTubeに新たに開設したチャンネルで、所属事務所ADORに無断で生配信をし、HYBEを批判し、ハニはHYBEからのイジメに遭っていたことを告白。すぐに削除されていますが、内容が内容だけに、大騒ぎになってます。

この批判の中には、自分たちの映像が消されたという内容が含まれているのですが、これはiPhoneのCMを担当しているNewJeansのMVに不適切な内容があったためらしい。そのMVの監督はNewJeans側に立っているため、監督とHYBEも対立していて、周辺の関係者たちも「どっちにつくのか」を迫られていることが想像できます。

今までにも彼女らは、ミン・ヒジンへの信頼を語ることで、この騒動での自分らの立場を明らかにしていたわけですが、ついにはHYBEを直接、かつ強く批判したことで、ステージがひとつ上がりました。このステージは、上がれば上がるほど修復が難しい仕組みになっているため、NewJeansが望む「ADORを元通りにして欲しい」という願いを自ら打ち砕く結果になりました。

ミン・ヒジンがこの中継にどれだけ関与していたのか不明ですが、一切知らなかったわけはなく、直情的にも思えるミン・ヒジンの性格がここにも反映していそうに思います。

どっちの味方でもない私としては、今回のNewJeansの行動はミスったと思うなあ。「大人たちがバトってますが、私たちにはよくわかりません」ということにしておかないと、芸能界の薄汚い部分を自らが背負っていかなければならない。過酷な選択をしていました。

✴︎2024年9月12日付「中央日報日本版」 HYBEの株まで下落していて、どちらにとってもいいことは何もなし

 

 

独立しても賠償金で潰れるか?

 

vivanon_sentenceミン・ヒジンとNewJeansは独立するしかなさそうですが、穏健な独立を自ら遠ざけているとしか見えず、この状態からの独立はさまざまな混乱を伴います。傘下から離れたら、躊躇なくHYBEは訴訟で潰しにかかりそうですし、HYBEはNewJeansを商標登録をしているでしょうから、独立後は別名で活動するしかない。

HYBEの力は強いですから、外部スタッフの多くも依頼を受けてくれず、メディアも冷たくなります。

でも、改名するのはいいんじゃなかろうか。NewJeansという名称は、1990年代、メキシコで活躍したガールズ・グループJeansのパクリとメキシコからも指摘されていて、少なくとも意識はしていたようです。Jeansへのオマージュだと言っておけばよかったのに、それがなかったため、こんなところでもイメージダウンです。ミン・ヒジンは、HYBEのILLITにNewJeansのコンセプトや振り付けをパクられたと文句を言ってますから、Jeansからのパクリは批判されて当然です。

その疑惑を払拭するためにも、NewJeansという名前を捨てるのはいいことかと思います。それ以外にも、パクリ疑惑が多すぎます。K-POP恒例とも言えますが、「Bubble Gum」の疑惑は訴訟になりそうなので、シャレでは済まない。花王のCMにも起用されているので、盗用が確定すると、賠償金を払うことになるかも。

 

 

 

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