松沢呉一のビバノン・ライフ

UBIソフトに対する集団訴訟とBOT疑惑—トーマス・ロックリーと岡美穂子の件も-(松沢呉一)

トーマス・ロックリーの詐術が次々暴かれる—アラリック・ノウデ著『リアル・ヤスケ』」の続きです。

 

 

トーマス・ロックリーと岡美穂子

 

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連日、ネタが投下されていて目が離せないのですが、2万人とも言われる従業員を抱える巨大企業があれよあれよという間にボロボロになっていく様をリアルタイムに目撃できる経験はなかなかなく、「UBIソフト崩壊物語」は大変よくできたゲームだと思います。

まず前回の補足です。直人さんの「Questionable Statements in Lockley’s Paper」のPart2が公開されました。

 

たぶん何らかのミスがあったのだと思いますが、前回を出した段階で、タイトルだけ表示されていて、本文は読めませんでした。今は全文読めます。

今回取り上げている内容はおおむねこれまで誰かしら指摘していたものですが、直人さんはそれらを論文から抜き出して検証しており、いよいよ「これが本当に査読付論文か?」との疑いが強まります。

これを読んで知ったのですが、直人さんはXで岡美穂子・東京大学史料編纂所准教授に疑問をぶつけてますが、答えになっていない回答があったのみ。これは、弥助の見た目を「器量也」とした記録に対して、トーマス・ロックリーがハンサムとしたことを岡准教授が支持したことについてのもので、どういう思惑か知らんですが、何としてもロックリーを擁護したい意思だけはよくわかります。「これが本当に東大の准教授か?」と疑うしかない人なので、こんなもんか。

このシリーズはさらに続くようです。

 

 

UBIソフトに対する集団訴訟が起こされた

 

vivanon_sentenceここ数日話題になっているのは(いろんなことが話題になっているわけですが)、米国でUBIソフトに対する訴訟が起こされたことです。

先週、Bloombergがこのことを報じていたのですが、法律のページで有料だったので、スルーしてました。その後、「Rocket Boysなど日本のメディアもいくつか取り上げています。

UBIソフトは、Facebookを運営するMetaに、個人が特定される形で顧客情報を提供していたことが判明。利用者の許諾を得て、情報を他社に流すことは珍しくなく、法的に問題はないのですが、UBIソフトは利用者の許諾を得ないまま、これをやっていたため、米連邦法に抵触し、これに対して集団訴訟が起こされました。

賠償請求の金額は不明ですが、原告数が増えるとそれ相応の額になりましょうし、それ以上にUBIソフトの信頼度が落ち、UBIソフトが利用することを避ける人たちが出ることが大きなダメージとなりましょう。

 

 

 

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