松沢呉一のビバノン・ライフ

UBIソフトのストライキに登場したSTJVのプログレス・プライド・フラッグ—経営陣と労働者は表裏一体?-(松沢呉一)

UBIソフト本社社員のストライキがスタート—ついでに文化財の著作権を整理する」の続きです。

 

 

 

UBIソフトのストライキが注目された理由

 

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木曜日にUBIソフト労働組合のストライキは予定通りに終了。

初日にフランスの主要メディアが揃って報じていたわけですが、私が予想していた以上に扱いが大きかったのは、UBIソフトであり、ゲーム企業だからです、「フランスで」なのか「世界で」なのか知らないですが、最大1,000人とも言われる組合員が参加した今回のストライキはゲーム業界で最大だったんですってよ(UBIソフトでは3回目のストライキだったとのこと)。

しかも、デジタル時代の先端をゆくイメージなのに、旗やプラカードを手にして社屋の前で「伝統的ピケ」を張ったのが、メディア的に絵になるものだったのだと思われます。

 

 

社員の多くは、生身で人と接しなくていいので、むさ苦しい見た目だし、ヒゲが伸び放題。かぶりものもダッサいです。親近感を抱いた人とともに、「こんな連中が作っていたのか」と失望したのもいるかもしれない。

しかし、自分らの行動と主張が大きく取り上げられて、組合としては大成功でしょう。外向けの効果だけじゃなく、半年ぶりに会う同僚や初めて会う後輩と肩を組み合って、「やっぱり、こうやって顔と顔を突き合わせて話をすると、オンラインではできないこともわかってきて、話が早いよな」と意気投合します。

だから、会社は「3日は出勤しろ」と言い出したのです。

 

 

あのストライキで気になったこと

 

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リモート勤務の長所と短所は私も以前書いてますが、仕事の内容によりけり、個人にもよりけりで、一律にはいいだの悪いだの言えないでしょう。日本で言えば、北海道で親の介護をしながら仕事をしているプログラマーが、リモートワークでいいというので入社したのに、「週に3日は東京本社に出社せよ」という命が出たら「話が違う」になりましょうし、辞める選択をするのも当然。

ということで、退社するのが出るのを前提とした人員整理策だという説が社員からも出てます。実際、そうなんじゃないですかね。一方的に解雇すると、不当解雇として組合が騒ぎ、訴訟にもなりましょうから。

この出勤の件以外では、「給料が上がっていない」との不満を口にした組合員がいます。あまり注目はされてないですが、今回のストライキでは「すべての賃金の即時引き上げ」も組合の要求のひとつになってます。しかし、この状態で昇給は望めない。形式上、言っておいただけか。

 

 

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