松沢呉一のビバノン・ライフ

北京のトイレと台湾のトイレ—新人「炎上商人」登場![追記編2]-(松沢呉一)

ニューヨークの公衆トイレの調査報告を読む—新人「炎上商人」登場![追記編1]」の続きです。

 

 

中国のスポーツ・メディアは韓国のスポーツ・メディアよりまとも

 

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そういえば、FKA MORENAさんは、「なぜ中国が嫌いなのか」と路上インタビューをしてましたね。元は見てないですので、そう問われた人がどう答えたか知らないですが、今だったら、「サッカーでの振る舞いを見ればわかる」と答える人も多いでしょう。私もそう答えるかもしれないですが、「中国のスポーツメディアは嫌いではない」と付け加えそうです。

よく日本のメディアが引用している「捜狐(sofu)」を時々私も見てます。ポータルサイトなので、各種メディアの記事を読めるのですが、独自記事も出しています。

中国メディアは、事件や災害の犠牲者数さえ正確に出さないくらいですから、まるで信用できないですが、スポーツ記事は比較的フラットです。さすがにここまでは中国共産党も口を出さないし、上からの圧力がなければ、中国メディアは公正な判断をするようです。どこのメディアでも自国贔屓にはなり、この点は中国メディアも同じですが、スポーツ記事でも愛国主義が露骨に前に出る韓国メディアよりずっとまし。

中国メディアがクズなのは政府がクズだから。韓国メディアがクズなのはメディア自体がクズだからと推測できます。

といったように「どこを見るか」によって「好き嫌い」が違って来るってもんです。

 

 

北京は東京より公衆トイレが多いかも

 

vivanon_sentenceつうことで、中国の公衆トイレも調べてみました。中国で、私はいくつかの公衆トイレを利用してまして、困らない程度には公衆トイレが存在していたと思います。

その印象は間違っていなかったようです。

 

現在、北京市の公衆トイレは22360座に達し、そのうち、都市公衆トイレは5598座、農村部の公衆トイレは8035座、交通、庭園、観光などの業界の公衆トイレは8727座です。

——2023年11月22日付「中国建設新聞網

 

「座」は便器数を示します。正確には、中国の古い公衆トイレの小用があるだけで便器がなかったりしますので、「何人使えるか」です。私が子どもの頃には同様のトイレがよくありましたが、今でも日本のドッカにはあるんですかね。

オランダの小用トイレや東京の遊歩道や小さな公園によくある1人用の簡易トイレとを同じ扱いにして、「一ヶ所」にカウントするのが適切な場合と不適切な場合があって、この記事の場合は習近平が進めてきた「トイレ革命(厕所革命)」の成果を大きく見せる意図がありそうで、座数しか出てません。政府が公開している数字もそうなっています。

仮に、男女合わせて、一カ所の公衆トイレに10座あるとして、狭義の公衆トイレは、都市公衆トイレと農村部の公衆トイレを合わせて1,363カ所になります。北京の人口は2,200万人。16,000人に一カ所。東京都は18,000人に一カ所ですから、東京よりも多い。

公衆トイレに10座あるというアバウトな仮定による数字なので、細かな比較をしても意味がないですが、世界的に見ても、北京の公衆トイレは相当に多い方であることは間違いなく、その理由は「中国人も生卵を食べる。ただし、現在の北京で食べるとしたら四合院の住民くらいか—日本の卵が優秀なのは衛生管理の徹底だけではない[追加編3]」を読んでいただければご理解いただけるはず。

✴︎2023月21日付「8world」 典型的な中国の共同トイレですが、きれいな方です。

 

 

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