税金を使ってK-POPの無料コンサートをやる奈良県の蒙昧—K-POPの問題点を把握してないのか?-(松沢呉一)
何をやってんだ、奈良県
しばらくK-POPアイドルのことは、取り上げるのはやめようかと思ってました。もともとK-POPアイドルに興味がなく、今に至るまで一曲も知らんのですが、スキャンダルや泥沼の争いは娯楽性があまりに高くてここまで引っ張ってきてしまいました。それに加えて戒厳令騒動で、韓国の話ばかりになって、私自身がつまらんです。
しかし、奈良県が税金を2億7千万円も使って、来年、K-POPの無料コンサートをやるって話を聞いて呆れ果て、これは取り上げないわけにはいきません。
韓国政府が韓国民の税金を使って自国のイメージアップと金儲けを目論むツールに、なんで奈良県民の税金を注ぎ込むんだ? バカなの? 知事や県議会議員はキックバックでももらえんの?
もしかすっと、知事や県議会議員たちは、私同様、K-POPアイドルになんの興味もなくて、レコード大賞と紅白歌合戦だけ観て、「流行っているらしいな」と思ったんか。そこそこ流行っているのは事実ですが、日本におけるK-POPは、各グループに熱心なファンがついているだけ。その外側の日本人はK-POPアイドルが全部一緒に見えて区別がつかず、シラーっとしています。
無料コンサートをやればそれらの熱心なファンたちが集まるでしょうが、人を呼べるアイドルはギャラが高い。NewJeansはこれから暇になってギャラが落ちそうですが、TatteredJeans(ボロジーンズ)とかに改名しなきゃならんです。
ぼちぼち人気のあるメンツを揃えられたとしても、外には広がりません。NMIXXって愛国アイドルを呼ぶと、プラカードや旭日旗を持った人たちも集まりそうで、「独島は我らの領土」を歌えば上や下への大盛り上がりです。
✴︎2024年12月11日付「NHK NEWS WEB」
VCHAのKGが虐待を告白
グッズ販売はするでしょうが、その売り上げは事務所が持って帰るだけ。どのグループも家族で楽しむようなものではないですから、あんまり地元には金を落としません。いったい何のためにやるのか、知事や賛成した議員たちは説明すべきです。
ガールズ・グループは、エロが売りですから、半乳で臍や太腿を丸出しで腰をクネクネさせます。全国フェミニスト議員連盟が黙ってませんぜ。どってことないVTuberに対してもあれだけ騒いだのですから、奈良県が税金を使って、子どもも見るような場所で開かれるハレンチショーを看過するはずがありません。なんの考えもなく、思いつきで難癖をつけているだけのハレンチ団体なので、平気でダブスタをやるでしょうけど、韓国のフェミニストたちはずっとK-POPを批判してます。
私はエロであることは批判しないですが、ここまで見てきたように、K-POPは欲まみれであり、その部分はどうなんかとさすがに思います。事務所の社長がタレントに性行為を強要する、男性タレントたちが薬物を使用したレイプをする、ライバルとの競争が激しくていじめが恒常化し、そのための脱退や自殺がたびたび起きています。
最近では、VCHA(ヴィーチャ)のメンバーであるKGが所属事務所(JYPエンターテインメント)による虐待のために脱退し、告訴に踏み切ったことが話題になってます。彼女によると、痩せることを強いられて摂食障害になった末に自殺を試みたメンバーもいたそうです。VCHAは今年1月にデビューしているのですが、練習生時代のレッスン料や合宿所での生活費が借金となるため、デビュー後もほとんど給料は貰えていないと言ってます。大手でさえそうなんですから、弱小事務所は推して知るべし。
彼女は「これはK-POP産業に深く根付いた問題だと考える」と言ってます。彼女は米人なので、あまりに前時代的なやり方に辛抱ならなかったのでしょう。
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