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天皇杯王者に連敗も、確かな成長を示したシーホース三河。身についてきた「ハビット」と「勝者のメンタリティ」【2024-25シーズン 第26節】

りそなB1リーグ第26 Game2  三河 76-85 琉球 (スカイホール豊田) 

 

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22日、23日、シーホース三河(以下、三河)は天皇杯王者の琉球ゴールデンキングス(以下、琉球)と対戦。Game167-80Game276-85と、10月の三遠ネオフェニックス戦以来の同一カード連敗を喫した。

前節からジェイク・レイマンの欠場が続く中、Game2はザック・オーガストとダバンテ・ガードナーの両外国籍選手が第1Qで個人ファウル2つに達し、コートに立つ外国籍選手が1人の時間が長くなったが、「ケガ人がいたり、選手が足りていない状況で、昨日とは違っていいゲームができた。負けはしたが、自分たちのやるべきことをやっての敗戦なので、次に繋がる試合だった」とライアン・リッチマンヘッドコーチ(HC)は一定の評価を示した。

  

オフェンスリバウンドへの意識が染み付いてきた

リッチマンHCは就任以来、一貫して「毎日1パーセントのカイゼン」をチームに求め続けてきた。シーズンが進むにつれて攻守両面で練度の高まりを感じさせるが、とりわけ後半戦になって進化が見られるのが「オフェンスリバウンド」だ。

琉球戦ではB1で3度リバウンド王に輝いた実績を持つジャック・クーリーに苦戦したものの、Game1では19-8と完敗だったオフェンスリバウンドを、Game2はさらに高さで不利な状況に陥った中で14-9と修正。二桁点差を4点差まで戻す粘り強さを見せた。

 

シェーファーアヴィ幸樹は、2月のバイウィークにオフェンスリバウンドに集中的に取り組んだ成果だと明かす。

「相手チームにファストブレイクであまりやられないのが自分たちの強みですが、もうワンステップ上のチームになるためにオフェンスリバウンドも意識しようとバイウィークにしっかりと準備しました」

 

3月の7試合で見ると、平均オフェンスリバウンド数は12.0本。2月のバイウィーク以前の37試合平均が9.6本だったので、その変化は数字でも実証されている。

ただ、オフェンスリバウンドに関しては、今シーズンの強化ポイントとして継続的に取り組んできたとリッチマンHCは強調する。

「オフェンスリバウンドは練習で毎日強調している部分です。映像ミーティングもしていますし、練習でもドリルの中に組み込まれています。年末に、ビデオコーディネーターの(松浦)なずながオフェンスリバウンドをより強調するための映像や資料を作って提言をしてくれて、チームで共有しました。彼女の素晴らしい仕事が結果に繋がっているのは嬉しいです」

 

シェーファーも、チーム全員の意識変化を実感していると語る。

「僕は個人的にもリバウンドをテーマにしているので、常に絡むようにしていますけど、最近はガードやウイング陣もリバウンドに絡んでくるようになってきていて、チーム全体として意識が高まっているのを感じます。

以前は(ディフェンスに)戻ることを意識するあまりにリバウンドに絡んでいないことが多かったので、その点についてコーチ陣と話をしました。映像を見て全員で課題を共有して、今は、ビッグマンが相手の外国籍選手をしっかりと押さえ込んで、取りきれないところをガードやウイング陣が取りに来るということをチームの中で共通認識として大事にしているので、それがだんだん染み付いてきたというか、チームとしてリバウンドが取れるようになってきたなという印象があります」

 

琉球戦のGame2、9得点4リバウンドと日本人ビッグマンとして存在感を放ったシェーファー。3月19日の秋田ノーザンハピネッツ戦でもオフェンスリバウンド4本、トータルで10リバウンドを記録している。

好パフォーマンスを続いていることに話を向けると、シェーファーは「自分としては、オフェンスリバウンドに飛び込むこと、先頭を切って走ること、いいスクリーンをかけることを常に意識しています。もちろん手応えも感じてはいますが、いつもやっていることが結果としてうまくいったという感覚ですね」と特別なことをしたわけではないと返す。

 

奇しくも、琉球の桶谷大ヘッドコーチが試合後の会見で、リバウンドやルーズボール、ディフェンスでハッスルすることは「ハビットだと思うので、そこを追求していきたい」と話していた。カイゼンの積み重ねによって、チーム全体としてオフェンスリバウンドの「ハビット」が身につきはじめていることは、優勝をめざす上で大きなステップアップと言えるだろう。

 

強いチームが持つメンタリティを備えつつある三河

日々成長できている、成長が結果に結びついているという手応えは、選手のメンタルにも良い変化をもたらしている。特に“セカンドユニット”の自信は、チームの我慢強さと勝利につながっているとシェーファーは語る。

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