夏に向けて④ 豊橋中央・萩本将光監督、内山京介投手、小栗遥大投手にお話を伺いました。
2024年夏に向けて注目チームの監督や選手にお話を伺っている企画の第4弾。
今回は豊橋中央高校へ訪問し、萩本将光監督、内山京介投手、小栗遥大投手にインタビューいたしました。
豊橋中央は1923年に愛知和洋裁縫女学校として設立。1957年に豊橋女子高校と改称して、長年女子校として親しまれる。1997年に共学化とともに豊橋中央高校に改称。野球部は2002年に創部され、2003年の夏の大会に初参加。徐々に力をつけ、これまでに3名のNPBの選手(谷川原健太選手〈ソフトバンク〉、中川拓真選手〈元オリックス〉、星野真生選手〈中日〉)を輩出。昨年秋には初めて東海大会に進出と、愛知県でトップレベルのチームに成長。
今年もドラフト候補と呼ばれる内山京介投手、小栗遥大投手を擁し、夏の戦いも注目される中、なぜそういった選手が出てくるのか、選手育成の秘訣等伺えればと取材いたしました。
新チーム結成後の成績
秋季大会
1次予選
〇11-0蒲郡東
〇10-1成章
〇3-2豊橋商
〇11-1時習館
2次予選
〇9-0桜丘
●2-3豊川
県大会
〇4-3西春
〇6-5享栄(延長10回タイブレーク)
〇7-5大成(延長12回タイブレーク)
●0-2愛工大名電
〇9-7小牧南
東海大会
●0-4県岐阜商
1年生大会
●6-13愛工大名電(8回コールド)
春季大会
1次
〇10-0豊丘
〇8-1豊橋西
〇10-2豊橋工科
〇7-0蒲郡
2次
〇13-2成章(5回コールド)
〇1-0豊橋商
県大会
〇2X-1向陽(延長10回タイブレーク)
●1-6中部大春日丘
全三河大会
〇5-2西尾東
〇3-1豊橋商
〇2-1三好
〇9-2愛産大三河(7回コールド)
萩本将光監督プロフィール
1982年生まれ。中京大中京出身で2000年に1塁手として甲子園に出場。2013年に豊橋中央のコーチとして就任。2018年から監督として采配をふるう。
中京大中京の恩師は大藤敏行監督(現享栄)。当時のことを伺うと、「今と変わらずです(笑)。当時は大藤監督も若かったですから、今よりももちろんパワーがあった。おかげで色々強くなりました」と笑いをさそうも「厳しかったですけど愛情はありましたし、それを感じていました。お世話にもなっていますし今でも頭は上がらないですね」と感謝の言葉を口にします。

ノックを打つ萩本将光監督
〇練習環境について
この日訪れたのが豊橋中央高校の大山グランド。この日練習していたのは野球部だけでしたので、専用グランドなのかと思いましたが、野球部専用ではなく、体育の授業等でも使われるし、以前はサッカー部とも共用していたとか。
平日の火曜日はフリー。休みでもいいという日に設定。水・金は早く練習が始められる日で他は16時15分から。夜は19時くらいまでと意外と終了は早い。
自主練で残って練習する選手もいるそうですが、全体練習はそんなに長くないとのこと。
〇ドラフト候補誕生の秘訣
現在プロ注目投手として内山投手、小栗投手がチームに在籍。そして過去には3人の選手をNPBに支配下指名で送り出しています。甲子園常連の強豪校ならともかく、豊橋中央はまだ甲子園に行ったことがない、昨年の東海大会進出が初めて。夏の最高成績がベスト4というチーム。どこに秘訣があるかを伺いましたが・・・。
「NPBに3人、これまで行けたのはたまたまだと思いますよ」という冷静なお答え。
「よく豊橋中央の練習は厳しいと言われますが、そんなことないですよ。ただ、練習は1年生から3年生までレギュラーから控え部員も含めて全員で同じ練習をします。その中で常に競争がある。レギュラーの保証はない。そういう面での厳しさが緊張感を生んで選手の成長につながっているかな」との見立て。
ただ、投手の育成については考えがあるそうで「ピッチャーには投げ込みとかはさせません。肩ひじは消耗品だと思っています。継投で戦うことが多いのもその理由の一つ。投げ込めば球が速くなったりコントロールが良くなるわけではないと。それこそNPBとか大学に進んで身体が出来てから投げ込みをすればいいと思いますね」と持論を展開。
選手の将来を見据えて育成に取り組んでいることが、NPB選手の誕生につながっているのかな、と私は感じました。
〇秋・春を振り返って
秋は東海大会進出。これは豊橋中央としては初の快挙でした。
「秋については絶対に東海大会に行くと決めてやっていました。その意味では目標は達成した形。ただ、東海大会ではその舞台に立ったことがないチームだったので、雰囲気というか空気というか、そういうものに負けた印象でした」と悔しそうな表情をうかべます。
「東海大会以降も強い相手に練習試合を勝ったりしていたので、いい感じで秋を終えて冬を乗り越えて春に臨んだのですが、春はちょっと戻ってしまった印象です」。
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