愛知野球通信+

東海大会愛知県代表校にお話を伺いました③ 名古屋たちばな ~新たな扉を開くべく、秋の東海大会という初舞台に挑む~

秋季愛知県大会で3位となり、初の秋季東海大会出場を決めた名古屋たちばな。
この春から校名が名古屋たちばなに変わり、この夏は私学4強の享栄、愛工大名電を破り、甲子園に出場した中京大中京をあと一歩まで追いつめました。

その中心となった2年生投手陣が残り、この秋も名古屋地区2次予選で享栄を再び撃破。県大会のシードを確保すると、県大会では同じく強力投手陣を擁した豊川を破って4強入り。至学館には敗れるも、名城大附を破って3位となりました。

現在部員は2年生が24人、1年生が44人の68人。

初の東海大会に向けて練習にも熱が入る名古屋たちばなの練習場にお邪魔し、鈴木将吾監督にお話を伺いました。

名古屋たちばな 鈴木将吾 監督

鈴木将吾監督は1976年生まれ。中京大中京から中京大へ進み、指導者の道へ。塚原星雲では部長、岐阜城北では副部長として甲子園へ出場。2012年から愛産大工(現名古屋たちばな)の監督へ就任。

秋季大会の全成績

1次
〇7-0名市工
〇10-0豊明

2次
〇10-0愛知
7-5享栄
●3-8中京大中京

県大会
〇8-1成章(7回コールド)
〇2-0愛知
3-0豊川
●0-2至学館
4-3名城大附

〇秋季大会を振り返って

「夏の大会にベスト8まで進んだチームから2年生の主力3人(中島稜太、織田優太、石川萬才)が残った。ただ、中島と織田は夏の疲れもあって本領発揮に時間がかかる中、石川を中心に蟹江(大雅)鈴木(昊真)の2年生投手陣の他、1年生の投手陣も予選から頑張ってくれた。特に石川はよく支えてくれた。これが大きかった」とまずは投手陣の踏ん張りを称える。「チームとしてはビッグイニングをほとんど作られていないし、失点が計算できるのが大きい」と目を細める。

一方課題は得点力。「3位決定戦の目立つところで打った淺井(太介/2年)はさすがですけど、その淺井はマークされることが予想されるため、その前後がカギになる。実際、3位決定戦では3番の野々垣(敦貴/2年)、5番の伊藤(幹太/2年)がよく打ってくれた。東海大会では日替わりヒーローも必要ですし、一発勝負を勝ち切れるように調子を見極めて選手の力を発揮させたい」と意欲を見せる。

ここぞで頼りになる淺井太介内野手。

〇壁を越えるプレッシャー

愛産大工の時代に春の東海大会に進んだことはあった(2012年)一方、秋はベスト4が一度ある(2011年)ものの、東海大会の出場は今までなかった。今年の夏も初のベスト4進出に挑むも敗れた苦い経験をしたばかり。そんなプレッシャーをどう感じていたか。

「自分が思っているよりも選手たちは感じていたようです。その辺りは高校生。初めての扉を開くということはやりがいがある反面、重さが違うんでしょうね」。

秋の“壁”を一つ乗り越えた経験は大きい。「公式戦で得られる経験はいくら強豪と練習試合をしても別物。3位決定戦ではコントロールのいい中島が押し出し四球で勝ち越し点を許し、最後のアウトを三振で取った時もものすごくホッとした顔をみせた。あ~、重圧があったんだなと思いました」としみじみと語ります。

3位決定戦を勝った直後の中島稜太投手。ホッとした顔が印象的。

監督自身はどうだったか。「1回戦も準決勝や3位決定戦も同じ。あくまでもチャレンジャーという意識でした。目の前の試合を勝つために全力を尽くす。ただ、自分は熱くなり過ぎちゃうタイプなので、守備の時に入り込みすぎないように、例えば帽子を外して空を見ると落ち着けるので、客観的に試合を見るための工夫をしていました」と平常心を心掛けていたと振り返ります。

〇チームの特徴

チームは淺井選手を中心にまとまる。チームメイトからは「淺井を甲子園に立たせたい」という言葉も聞こえてくる。

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