限界突パ

柳田・近藤らが.900も統一球導入以来の低水準。パ・リーグのOPSがヤバイ。【今週の話題】

.658と.661。パリーグ党のみなさん、これ、なんの数字だかわかりますか?

というわけで、野村ID野球で《野球を記録で語るおもしろさ》にドハマリしたしばかわコラム3回目をお送りしたいと思います。

当初このWEBマガを主宰する氏原さんにオコエがけをいただいたとき、「OPSについて書いてくれ」というご要望がありましたので、今回はOPSについて思うところを。

OPSは出塁率と長打率を足したものですが、今さら説明不要でしょう。

今ではスポナビなどの速報サイトにもふつうに載ってますし、球場に足を運べば電光掲示板にも表示されているポピュラーな指標になりました。

OPSを始めとするセイバーメトリクスの基本指標が紹介された書籍が、我が国で初めて出版されたのは、僕が知るところでは、データスタジアムさんの『野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス』(宝島社)だと思います。

2008年のことでした。当時の僕のバイブルでした。副題には「世界最強軍団ボストン・レッドソックスも使っている新選手評価指標」とありました。懐かしいですね。あれから15年ですか。

おさらいの意味を込めて簡潔に説明しますと、打率、出塁率、長打率といった従来指標と比べたとき、得点との相関関係が最も高いのがOPSになるんです。

鳥越規央『統計学が見つけた野球の神髄』(講談社2022年)によれば、その相関係数は下記のとおり。

打率 0.726
出塁率 0.847
長打率 0.901
OPS 0.911

OPSが最も強い相関を示していました。
出塁率と長打率を足したシンプルな指標のため、わかりやすさもある。

目安はこんな感じ。

1.000~ 数年に1度級
.950~ 球界屈指
.900~ リーグ屈指
.800~ 好打者
.700~ リーグ平均
.600~ 悪い
.500~ 2軍行き!

人によって若干の違いはあるかもしれませんが、だいたいこんなイメージではないでしょうか。
僕もそんな印象でした、今までは。

ところが、この判断基準、今や軌道修正の必要に迫られているのです。

7/24終了時のパリーグ規定打席到達OPS10傑を確認してみましょう。

(残り 1421文字/全文: 2290文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ