西武・佐藤龍世のブレークに見た”西武の伝統”。名選手は試合後も室内練習場へ向かう。
ライオンズの伝統は死んでなかった。
かつてライオンズに所属した木村文紀の引退試合に沸いた9月20日の日本ハム戦。試合を決めたのは佐藤龍世の一打だった。
「1打席目は四球でバットを振っていなかったんで、初球から思い切って行こうと思いました。(ホームランを)狙ってはいなかったですけど、初球から振っていけていたのでタイミングが合ってきたのかなと思います」
初球は豪快に空を切ったが、3球目のスライダーを捉えた打球は左翼スタンドに飛び込む2点本塁打となった。
木村とはかつてトレードで、ともに日本ハムに移籍した仲だった。「優しく、時に厳しく接してくれた人だった」と話す。そんな繋がりのなかでの一打に感激もするのだが、今の佐藤にはそんなドラマチックだけではない確固たる実力がある。
平石洋介ヘッドコーチは話す。
『ああいうふうにみえて、すごく真面目で、野球をよく知っている選手なんですよね。今年から本人の野球に対する考え方が変わってきましたよね。自分が打てばいいとか、好き勝手打てばいいというのではダメだと感じていると思う。意図の感じる打席が多くなりました』
9月に入ってからの佐藤の成績は圧巻だ。49打数18安打。ヒット数もさることながら、四球は17個。長打も量産し、OPSは1000をマークしているのだ。
開幕からずっと一軍に帯同。レギュラーとして居場所が確約されていない中でのスタートだったが、徐々に出場機会を増やし、今やチームに欠かせない選手になっている。
何が変わったのか。
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