限界突パ

【検証2023 楽天編②】前時代的な投手起用でブルペン崩壊で最下位に転落。開幕41試合で借金「10」。監督交代の危険水域だった。

今年の楽天は順位こそ昨年と同じ4位だったが、首位とのゲーム差は前年6.5から17.0に拡大した。10年連続V逸の余波は大きく、最終戦から2日後に石井一久監督が退任。2018年9月のGM就任から始まった石井体制にピリオドが打たれた。なぜ楽天はオリックスに決定的な大差を許したのか?今年の戦いを、SNS総フォロワー数5800人の鷲ファンで、河北新報Web版の連載コラムも好評のしばかわが、全4回の短期集中連載で振り返る2回目。

●開幕~5月:18勝27敗1分

3/30エスコンフィールド。他球団より一足先に新球場で開幕したイーグルスは、3-1で白星発進した。「自分には経験がある」。日米通算6度目の大役を務めた田中将大が、第二の故郷で6回途中1失点。打っては昨年7月に加入した伊藤裕季也と新外国人フランコが一発攻勢を決め、SNS上で「単独首位」がトレンド入りした。

変則日程で試合のない翌3/31は仙台で桜が過去最もはやい満開を迎え、ニュースを賑わせていた。そのなかチームは開幕カード勝ち越しに成功する。

2戦目こそ延長戦を落としたが、第3戦を2-1で勝利。3四球で塁を埋めた7回2死満塁、三走・浅村栄斗によるわずかな隙を突いた好走塁がファンを唸らせた。投手の真っ直ぐが高めに抜け、捕手のミットを弾いた瞬間、主将が突入。返球との勝負を間一髪で制し、ノーヒットで決勝点をもぎ取った。

しかし、開幕ダッシュは2カード目から早々に頓挫する。

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