限界突パ

「横並びでいつでも情報が共有できることが理想」。潮崎哲也編成ディレクターが語るスカウティングと育成の未来。最終回インタビュー【特集 ライオンズは変わるのか】

1軍のピッチングコーチや2軍監督を務めた潮崎哲也が編成ディレクターに就任したのは2019年。ドラフトの最前線に立って陣頭指揮をとってきた。5年目のシーズンを終え「今年はいいドラフトだった」と振り返る一方、チームの育成環境が変化する中で、アマチュアの選手をとっている側のトップは改革をどのように見ているのかを聞いた。(取材・文 氏原英明)

――編成ディレクターに就任されてから5年目。新入団選手発表も終えたばかりですが、この5年を振り返って、どんな期間でしたか。

潮崎 こちらが見立てた通りに成長してくれる選手もいればそうでなかったこともありましたので、全部がうまくいっているとは全然思ってないんですけど、チームの需要に沿うような選手を取ろうという意識をずっと持ってやってきました。

――編成ディレクターという仕事は全般的にどういうイメージをすればいいのかなと思ったんですけど、ドラフトがあってアマチュアの獲得、プロのスカウティングなどいろいろありますけど、潮崎さんはどういうところですか。

潮崎 全部を見ていますが、一番の軸足はやっぱりアマチュアです。長期的に見たときに、どういった選手を獲得するのがいいのか。3、5年後を見据えたドラフトが主軸になります。トレードや外国人というのは、目先の補強になってきますので、大きな根幹はアマチュアドラフトというところですね。

――潮崎さんはコーチや2軍の監督を経験していたと思うんですけど、プロに来てからの選手を見る見方とプロに来る前の選手の見方とでは違いはありますか。

潮崎 プロ以前を見て行くのは本当に難しいなと感じています。人間性や性格についての情報が入ってこないという中での獲得になりますから。入団してきて成長する選手はやっぱり人間的にもしっかりしていますし、個人で考える力を持っている選手だと思います。それは現場にいても、こういう立場になっても感じる部分ですね。

――編成ディレクターになった2019年頃のライオンズはバッターが良くて、投手の防御率が高い。リーグ優勝はできたけど、日本一はできなかったという時期。そこから考えや重きを置く場所が変わったことはありますか。

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