限界突パ

ドジャース・大谷翔平選手寄贈グラブ「次に必要な手立て」。

LAドジャースの大谷翔平選手が寄贈したグラブの活用が全国で進んでいる。

体験会を実施するものもあれば、小学校から高校側に依頼して野球教室を展開するというものまであった。野球界には情熱を持った指導者がたくさんいて、大谷選手の行動に応えようとしっかりと繋げている。

大谷のこの行動には当初、賛否両論が多かった。

その中身はというと、どれも建設的な意見はなくバズり目的ななものばかり。

・野球は9人でやるもの、グラブ3個だけ送って何の意味がある。
・小学校に野球部は存在しないから送っても活用できない。

などの声があった。

批判の意見は受け止めるが、大事なことは大谷の行動に対して、日本にいる、それも野球に関わる方々がこれをどう生かすか。大谷選手はすごいことをやってくれたのだから、それをどうできるかが日本在住の「野球人」の腕の見せ所だろうと個人的には思っていた。

批判した方がバズる残念なメディアばかりだったが、でも、日本の野球人も捨てたものではない。

2月21日は神奈川県立・市ヶ尾高校が積極的アクションを起こした。

そのアクションとは、大谷選手のグラブ活用に悩む近隣の学校に声をかけて「キャッチボール教室」をするというものだ。

プロジェクトの趣旨は「キャッチボール教室」だが、そこに大谷翔平選手のグラブも活用しようとすることでその場にいる小学生たちは「野球体験」と「大谷翔平グラブの活用」を同時に行える。高校生も小学生への野球教室を通して、大谷のグラブの存在を身近に感じることができ、一石何鳥もあるというわけだ。

そもそも、大谷選手は「野球やろうぜ」と言っているように、今回の行動は野球選手というより、まだ野球に触れたことない小学生への働きかけだ。つまり、市ヶ尾高校が取り組んでいることはそれをも実現させているわけである。

市ヶ尾高校の菅澤悠監督に、その後のことを聞いたところ、21日に訪問した小学校の子どもたちは野球に興味持ったようだ。先生たちもそれに応えようとグラブをたくさん購入。野球文化が広まろうとしている。

市ヶ尾高校は他にも3校、今度は違う形で訪問をする予定で、菅澤監督は「全国的に広まってほしい」と語る。高校野球部が小学校にまで出かけるという発想は野球界全体のことを見えてないとわからない取り組みだが、一つの学校が実現したことで、この難しいハードルは一気に下がるだろう。

大谷翔平選手がそうであるように、市ヶ尾の取り組みは、それこそ「0を1にする」というもので、大谷選手が二刀流を果たした「限界突破」の一つである。両者の想いは重なり合っていると個人的には思う。

ただ、ここで次のことも考えなければいけない。

次のこととは「野球に興味がなかった」小学生たちのこの後の行動である。

実はここが極めて重要なのである。

野球の競技人口の大幅減少が語られてから10年近くになる。
その間、プロ野球選手をはじめとして多くの「危機感」を持った方々が行動を起こしてきた。このままでは野球は選んでもらえなくなる。そう考えて行動を起こすようになった。

それがシーズンオフに開催される数々の野球教室である。

野球を知ってもらおうという取り組みは大切なことだ。しかし、10年近く経って、その成果があるかというと厳しい現状と言える。その理由の一つに「野球人口減少のために野球教室」を謳いすぎて逆にネガティブなイメージを与えてしまったことが挙げられる。「野球って選ばれてないんだ」というのを明らかにしてしまった影響が少なくない

そして、もう一つの理由が競技人口が増えたところで、野球界の環境が変わらなければ意味もないという現実だ。これまで野球界の競技人口が減った原因を突き止めることなく、野球教室をやるだけでは、結局、同じことを繰り返すだけ。実はそれを繰り返しているところが否定できないのだ。

つまり、大谷選手の行動、そこに続いた市ヶ尾高校の取り組みから、野球をやる子供が増えた。ということに加えて「継続」を次のテーマにしなければいけない。

21日の市ヶ尾のイベントでは本当に楽しそうに野球をしていました。心底「この子達、野球をやってくれそう」と思えるくらいに輝いていました。野球のルールを全然知らなかったけど、本当に楽しんでいる様子が伺えました。

しかし、そんな子たちが、野球をやろうと思って、そこで「怒号罵声」のあるチームにいいけば、市ヶ尾のないんに笑顔になった子どもたちがどんな表情になるかは軽く予想がつく。元の木阿弥というわけだ。

素晴らしいチームを作っている学童の指導者がいるのは事実だ。私が運営するオンラインサロンのチームはまさにライト層に向けたチームを作っている。。しかし、彼らは大勢ではなく、それどころか「異端児扱い」されるというのが現状なのだ。つまり、「大谷グラブ寄贈」ムーブメントから野球選手が増えても、そういうチームにたどり着けるとも限らない。

大谷のグラブ配布から、次のテーマへ向かう。
これは急いで改革しなければいけない事項だということを忘れてはいけない、
大谷グラブからの「継続」。これをどこまで突き詰めていけるかが日本の野球界にとって大きな鍵になる。

今さら聞けない野球のトレーニングに必要な基礎知識①「training と practice」

このサイトでは筆者が知る学童野球チームの紹介を積極的に行っていく。詳しくは下記を参考に。また市ヶ尾の記事なども貼り付けておくので、リンクを参照ください。

▽氏原英明推薦の学童野球チーム

山形ブレイズジュニア

https://www4.hp-ez.com/hp/blazejr/

エンジョイベースボール春日部

林レッドスネークス

前橋中央ボーイズ小学部

市川ライジング

倉敷リバティーズ

パイラスベースボールクラブ

▽市ヶ尾高校の記事

【高校野球】大谷グラブで野球しようぜ! 市ケ尾が鉄小学校でキャッチボール教室 子供たちも「めっちゃ楽しい!」と大興奮

 

▽その他リンク

氏原への「キャッチボール教室」相談窓口

野球指導者オンラインサロン

菊池雄星 players development center「KOH」

 

 

 

 

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