限界突パ

今さら聞けない野球のトレーニングの基礎知識②

今日は「今さら聞けない野球のトレーニングについて」の第2回目をお送りしたいと思います。今回は特別ゲストとしてS&Cコーチの佐藤裕務さんにご執筆をお願いしました。早稲田大学男子バレーボール部でインカレ5連覇を支えた名トレーナーであります。もともとは野球選手で、野球チームにも指導に行っていますが、私のオンラインサロンのモデレーターも務めてくれていて、いつも体のこと、トレーニングのことなどをアドバイスいただいています。今日はそんな専門家の記事を読んでいただきたいと思います。(文・佐藤裕務) 


⽒原さんのご指名で、トレーニングに関する投稿をさせていただきます。
1回⽬の今⽇は「トレーニングの基礎」について考えてみたいと思います。

まず「何故」トレーニングをするのでしょうか?
僕の中では明確に 2 つあって、それは「怪我の予防」と「⾝体能⼒の向上」です。この 2 つがひいては効率的な練習、野球のパフォーマンスアップにつながっていきます。
そして当たり前ですが、この 2 つを達成するためには、まずどのようにトレーニングを⾏うのか、という⽅法論の話をしなければなりません。
しかし、⽅法論を間違ってしまうと、トレーニングによって逆の「怪我の多発」「⾝体能⼒の低下」という悲劇的な結末を迎えてしまい、「ウェイトトレーニングやると怪我をするから、やらない」という結論に⾄ってしまうことがあります。

やり⽅を間違っていたのなら、それ相応の結果が待っているわけです。
野球の練習に置き換えて、意味のない技術練習を続けて、うまくならなかったら「練習やっても上⼿くならないから、無駄だよな、もう練習やめよう」とはならないはずです。誰もが
内省して試⾏錯誤して、うまくなる⽅法を⾒つけようとする。

しかしながら、プレーに直接的ではないとはいえ、トレーニングではそれが起こってしまうのです。⾃分たちの能⼒を⾶躍的に向上させるチャンスがあるのに、それにトライしない。
⽅法を間違えて遠ざけてしまうのはもったいないことです。それではもう少し具体的に考えてみましょう。

僕はよく、⾼校野球やその他競技のチームに対して単発でのトレーニング講習会や指導に出向きます。
その時にいくつか”困った”オーダーをいただくことがあります。

それがこちらです。
・体幹トレーニングを教えてほしい
・ベンチプレスのやり⽅を教えてほしい

いわば、トレーニング種⽬に関する具体的なことを注⽂いただくのですが、なぜ、僕が困ってしまうかというと、そのチームのトレーニングにおける「ゴール」が⾒えないからです。

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トレーニングの盲点
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選⼿にとってのゴールはトレーニング種⽬をマスターするのではなく、丈夫な体を作り、⾝体能⼒を上げること。そして野球のパフォーマンスが向上することです。
その過程の中で、当然、体幹トレーニングが必要なこともあれば、ベンチプレスを⾏なうこともあるでしょう。ただ、「こうなりたい」というゴールがあって初めて、トレーニング内容、種⽬が決まるのです。

(残り 2005文字/全文: 3267文字)

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