限界突パ

4連覇を狙うオリックスは西川龍馬の加入で別チームになる。【2024年シーズンはこう戦え!オリックス編】

 開幕を2日後に控え、本ウェブマガジンではパリーグ6球団の「今季はこうして戦え」をお送りしたいと思う。チームに入れ替えがある中でどのようにして戦っていくべきなのか。オープン戦の結果などを踏まえて提案していきたい。第1回目はオリックス。(文・氏原英明)

 4連覇を狙うオリックスは昨季のローテーションから2人の投手が移籍した。

 大エースの山本由伸がメジャー挑戦。山﨑福也が日本ハムへFA移籍。この穴は大きい。

 当然、山本の後を誰が埋めるのかという議論になるだろうが、今季のオリックスはまるで別チームになると想定しておいた方がいい。昨季までの投手王国という看板を一旦下ろしてみるのが良いかもしれない。

 ただ、それは投手力の弱体化を意味するというよりも、むしろ打撃陣に楽しみが多く、ストロングポイントを変えて戦うということである。

 そう思わされる理由は何より西川龍馬の加入が大きい。

 昨季の日本シリーズでオリックスが悩んだのはリードオフマンの選定だった。シーズン中から様々な選手を試したが、結局、定まることができず、打線の安定感を欠いた。それでも投手力がいいので戦っていくことができたが、今年は西川がいる分、攻撃陣は計算が立ちやすい。

 昨季加入した森友哉も今季はかなりやってくれるだろうし、打撃の成長ぶりが著しい紅林弘太郎の存在も打撃陣で戦うことができるファクターになりそうだ。さらに、オープン戦では昨季はほとんど活躍できなかった太田椋が好調と明るいニュースが攻撃陣に多いのだ。

1番を西川にしてもいいし、2番においてもいい。ジグザグ打線に組むことができ、超攻撃型のチームができそうだ。西川、太田みたいなタイプもいれば、頓宮、森のような確実性と豪快さを兼ね備えた選手もいて、杉本裕太郎、紅林らスラッガーもいる。とてつもない破壊力のある打線を形成できる。

 一方、投手陣は2人が抜けたと言っても決して悪いわけではない。

 昨季10勝を挙げた宮城大弥が開幕投手を務める。沢村賞を狙うシーズン。昨季、新人王を獲得した山下舜平大も楽しみな1年になるが、山本のような期待をするのは無茶かもしれない。山本がここ数年で築き上げた圧倒的な存在感のある投手という部分ではハードルが高すぎる。

 今年宮城たちがそうした存在感を勝ち得るための飛躍の位置付けになるだろうが、打線がいいぶん、攻撃陣の力を借りながら、投手がシーズン終盤になって育っていく。そういう戦いぶりになるだろう。ブルペンもやや不安を抱えているだけに、今季は打線のチームで4連覇を狙いたい。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ