4連敗の西武打線が陥る「1番=俊足」の呪縛。全打順最低の数字が示す打開策とは。
試合を決めたのは「2番・紅林」だった。
オリックスー西武の第5節は0−3の展開から西武が一気に3点を奪って同点。延長にもつれたが、10回裏、二死二、三塁から紅林弘太郎が痛烈な左翼線適時打を放ち試合を決めた。
この5試合で19打数8安打。打率421と絶好調の紅林に打席が回ったのだから、ここを潜り抜けていくのはそう容易ではない。
そんな紅林を2番に起用していた采配は見事だったと言える。
西武はなんとか粘った試合だったが、これが精一杯の戦いだったと言えるかも知れない。
もっとも、0−3のビハインドから9回に3点を奪った攻撃は見事だった。
40歳のベテラン、中村剛也の2号ソロ本塁打で打線に火がつき、湿りっぱなしの打線が奮起した。佐藤龍世、平沼翔太が連続長打で続いて1点差。最後は2死から金子侑司が中前へ落として気迫の同点打だった。
この日、西武の松井稼頭央監督は前日からスタメンを5人入れ替えて試合に臨んだ。不動のレギュラーである外崎修汰、源田壮亮までもスタメンから外したのは、それほどに何かを変えたい一心だったろう。助っ人のアギラーもベンチスタートだった。
とはいえ、指揮官の苦労は今に始まった事ではない。ここ数試合は取っ替え引っ替えさまざまな選手を配置換する苦心が伺えた。前日には初めて「2番・中村」も試している。
打順には様々な考え方がある。例えば「2番・中村」は「打席を多く回す」という狙いがあったと報道されていたが、これも一つだろう。
打順は1〜9まであるが、全員に同じ分だけの打席が回るわけではない。そう考えたら、いい打者ほど多くの打席を回したいというのは真っ当な考えである。
それに加えて、出塁率、得点圏打率などを加味して考えるが、どのように打順を構成するかに指揮官の意図が感じられる。
前日、「2番・中村」を試した松井監督だが、ほとんど譲らないのが1番打者に俊足の打者を置くという傾向だ。これまで6人の打者を抜擢しているが、盗塁が得意でない選手はコルデロだけだった。
確かに1番打者に「俊足」を置くのは定石かも知れない。出塁すれば、盗塁のチャンスが広がり得点パターンが様々増える。特に打線の調子がいまひとつのライオンズ打線にとっては足を使ってでも得点を挙げるという考えは理解できる。
しかし、これは当たり前のことだが、
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