限界突パ

西武・栗山巧が交流戦最多安打を更新。「これがバッティングの面白いところ」と語る求道者の矜持。

やはり求道者の言葉は勇ましかった。

交流戦最多安打記録となる335安打をマークした西武・栗山巧は、4打席立って2つの安打1四球の存在感をみせてもなお『たまたま。そんなやること変わってへん』と謙虚に語る。

64日に一軍に復帰してから好調をキープしているように見えるが、求道者からすれば、今は自分のやりたいバッティングの途上なのだとこう語る。

「課題が毎日出てくるんで、その課題に対しては、必ず今日はクリアしようと思って練習から臨んでいるんですよね。その積み重ねをしている段階で、実感があるとか、そんなんじゃなくて、今日の課題が明日もできるかって言われたら、そうじゃない。どう見えるかだけだと思うんすよね」

求道者であるだけに目指したい打撃が常にある。見ている側とすれば開幕の頃よりは栗山らしさを感じるが、それはそれで本人は葛藤を抱えているのである。そして、それはまた、今の戦いが交流戦だからというのもある。

栗山はこう続けた。

それはひとつ、交流戦でヒットを打ち続ける男の割り切りにも聞こえる。

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