神村学園の独走は許さない━━鹿児島実・宮下正一監督「変革と不変の狭間で」③
神村学園の甲子園4強は、めちゃくちゃいい話
かつては鹿児島商、樟南と熾烈な覇権争いを繰り広げてきた鹿児島実。ところが昨今の鹿児島県は、かつての三国志状態でもなく、鹿実・樟南の2強状態でもない、新しい勢力図の中で戦いが繰り広げられている。
2005年センバツで初出場準優勝を遂げて以降、春夏の甲子園に12回出場し、昨夏は4強進出を果たした神村学園が中心となりつつあるのだ。それでも鹿実はライバルの独走を許すことなく、2022年夏には県1回戦で神村学園を破り甲子園に出場。その前年も準決勝で延長10回に3点差を逆転しサヨナラ勝ちを収めている。
宮下監督は現在の鹿児島県高校野球と、最大のライバル・神村学園をどう見ているのか。
「去年は神村学園が甲子園でベスト4まで勝ち進みました。これは鹿児島県のレベルを上げるためには、めちゃくちゃいい話だと思います。ただ、その流れに乗り遅れてはいけません。このまま神村学園を独走させるつもりはないし、そういう思いを持った監督が多ければ多いほど、県全体の競争レベルも向上していくでしょう。神村学園の小田大介監督も、野球に関してはもの凄く熱い男です。彼の中では、2021、22年と夏に2年連続でウチに負けたことが大きかったのではないでしょうか。直近2年の強さは、間違いなくその悔しさが出ていると感じますからね。彼もいろいろ苦しい思いをしたはずです」
神村学園は、今夏で3季連続の甲子園出場となる。今春には九州大会で準優勝。チームを率いる小田監督も41歳と若く、今後は鹿児島県内はもとより、九州地区の中でもリーダーとなっていく可能性を秘めている。そんな神村学園に勝とうと思った時、これからの鹿実に必要なものとは、いったい何なのか?
(残り 2485文字/全文: 3208文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ