東海大熊本星翔の打線を苦しめた”錯覚”とは?

4回に均衡を破る先制打を放った東海大熊本星翔・境。勝負強さと思いきりの良さが際立つ
【第156回九州地区高校野球 熊本大会 準決勝】リブワーク藤崎台球場
〇東海大熊本星翔 2-0 ルーテル学院●
ルーテル学院 000001000=1(3安打)
東海大熊本星翔 00040000×=4(5安打)
ルーテル学院
(投)阿蘇品、米田 (捕)小山
東海大熊本星翔
(投)緒方、福島、水野 (捕)比嘉
[二塁打]樋上(東)
復活した好左腕・阿蘇品陽輝のストレート
熊本県を代表する最速140キロ左腕、ルーテル学院の阿蘇品陽輝(3年)。昨年は夏前に左上腕骨と左肘有鈎骨の骨折が判明し、夏と秋を回避した。本格復帰となった今大会は、千原台との初戦で9回155球を投げて完投するまでに回復。その試合で13個の三振を奪い、九州学院との準々決勝でも9回2失点で完投している。
その好左腕を攻略し、決勝進出を決めたのは東海大熊本星翔だった。しかし、2023年夏の甲子園にも出場した強豪も、今大会は打線が振るわない。初戦が3校連合に4点、続く3回戦が必由館に2点、そして準々決勝で熊本工に薄氷の1-0勝利と、自慢の打線が思うように活気づかない状況が続いている。
この準決勝も4回一死まで無安打、5三振と沈黙した。三振は3つの空振りを含めすべてストレートで喫したものだった。「準備不足もあって、思うように球が走らなかった」と言う阿蘇品のストレートは、球場の表示で最速134キロ。常時では125キロ付近と低調に映ったが、スカウトのスピードガンでは最速136キロ。平均でも球場表示を5キロ近く上回っていた。
そしてこの誤表示が、東海打線に微妙な焦点のズレを生じさせることとなったのである。
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