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ホームベースの幅は何センチ?分かっているつもりをもう一度

【コラム】
正月直後の3連休。野球関連では新年行事や講習会などが各地であったと思います。また何より大変な暖冬で、多くのチームでグラウンド練習が何とか出来たのではないでしょうか。
まず11、12日に塩尻志学館高校を会場に県青少年野球協議会の公認指導者資格が取得できる研修会が行われました。両日、10時間ほど指導法や医科学面、栄養、故障予防などついてみっちり学ぶものです。このハードな講習会に小中世代を中心に120人もの指導者が学んだことに敬意を表したいです(もちろん有料です)。
以前も述べましたが、サッカーのようにこの資格がないと指導できないものではありません。ですが皆さん、これから指導していく上で学びの大切さを感じのだと思います。
私は2講座しか聴講しませんでしたが、指導者の世代を問わず、もっと言えば競技も問わないような内容で、場合によっては職場でも通じる講演でした。つまり指導の根底にあるものは、社会の中で共通しているのかもしれません。
指導の質の向上のため、選手に指導している姿をビデオに撮って、あとで自分で振り返る、というアドバイスをありました。普段の指導で、選手たちにどんな言葉を投げかけているのか、その言葉を選手は理解しているのか、もっと違う言葉はなかったのか。恥ずかしい思いもあるかもしれませんが、指導陣のミーティングで活用するのもアリかと思いました。
また12日は、長野商業高の室内練習場をお借りして、ナインズ主催の若手指導者研修会を開催しました。高校野球の20,30代の指導者の皆さんに声をかけさせていただき、この日は全県から40人ほど参加していただきました。
講師は、今回も元新潟明訓高監督で新潟医療福祉大総監督の佐藤和也先生です。過去2回は投手・投げることについてお話いただきましたので、今回は「捕手」をテーマに2時間、ご講演いただきました。キャッチャーについてこれだけみっちりお話を聞く機会はそうはないかと思います。
さて、皆さん、ホームベースの横幅って何㌢かご存じですか?こんなところから講演は入っていきました。そう言われて皆さん、ぱっとお答えできるでしょうか。
約43㌢ですが、硬式球を置くと6個分になります。捕手というのは、ついついこの幅だけで勝負したくなります。しかし、右、左のバッターボックスのラインまで入れると、それぞれもうボール2つ分ずつ取れます。すると計10個分のボールが並びます。6個分でなく、10個分で勝負できる感覚を持った方が、気持ちに余裕を持って打者に臨めるわけです。
またホームから二塁ベースまでおよそ何㍍かお分かりですか?
約40㍍になります。巻き尺で測ると、意外に短い印象ですが、マウンドを挟むと感覚としてそれ以上に感じるかもしれません。この感覚のズレが、無駄な力みを生んで、二塁への送球に狂いを生じさせるということです。
ホームベースの幅もそうですが、佐藤先生によりますと、人の感覚はズレが生じてくるので、その感覚にメスを入れることが大事とおっしゃっていました。この感覚のズレにより、不用意に自らを追い込んでしまっているのは、非常にもったいないことだと感じました。技術指導と合わせ、正しい感覚を選手にインプットすることの大切さを感じさせられました。

 

佐藤先生による指導者研修会

 

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