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【高校】秋季大会を振り返って

秋の北信越地区県大会は、松商学園の2季連続優勝で幕を閉じた。8月中旬からコロナの影響でどのチームも対外試合ができず、ぶっつけ本番状態で大会に入ったり、地区予選で決勝を行わなかったり、異例となった秋の大会を振り返る。

松商は県大会準決勝、決勝と延長にもつれ苦しんだが、勝ち切る強さがあった。甲子園でも好投したエース栗原、二遊間コンビが残ったとは言え、新チームとして対外試合ができないまま地区予選に突入。その不安を感じさせない安定した戦いぶりで、春、夏に続く県の頂点に立った。

その強打に目が行きがちだが、栗原に続く、1年生の大塚、齋藤の両左腕が素晴らしかった。
大塚は130㌔前後、齋藤は130㌔中盤のストレートを持ち、何より変化球を含め制球がいい。新チームの打線で、この左腕トリオを攻略するにはなかなか困難だ。そして投手を支える守りも安定していた。

↓ 県大会を制し優勝旗を手にダイヤモンド一周する松商ナイン

準優勝の東京都市大塩尻は、前チームから主戦の2年生投手が残ったが野手陣は未知数だった。強打のスタイルではないが、機動力を使え、しぶとくつなぐ打線が試合を重ねるごとに機能した。エース今野、左の三澤、西塚は計算できる投球をした。

↓ 準優勝表彰される都市大塩尻

ベスト4の東海大諏訪と長野日大は予選時から着実にチーム力を上げてきた。東海は昨秋のエース大野の復調が大きかった。日大は打線に形が見えてきた。

ベスト8に入った公立の岩村田と松本深志はともに終盤の粘りが見事だった。できればもう一つ勝ち北信越を決め、21世紀枠候補に名乗りを挙げたかった。上田西などの東信勢は夏に続き8強までに姿を消すことになった。

このほか県大会出場校では、夏4強の岡谷南が2回戦で敗れたが、高い攻撃力を見せた。長野商も北信A代表となり健在ぶりをアピールした。

地区予選敗退校の中でも、東海大諏訪に1点差で敗れた飯田OIDE長姫と高遠、松本第一、野沢北、中野立志館など総合力の高いチームが多かった。

どのチームも実戦、準備不足のまま戦った中での勝敗が、来季を占う上でどの程度参考になるか分からない。多くのチームが、1プレーの経験値を上げることで勝敗が変わるかもしれない、その程度の差の中にいるように見えた。

これから北信越大会を残しているが、現時点では春、夏、秋を制した王者松商をどうやって止めるか、が戦力整備の基準になりそうだ。

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