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【高校】長野大会優勝 上田西・吉﨑監督インタビュー(上)

第105回全国高校野球選手権長野大会

上田西が、第1シードの厳しいマークや重圧をはねのけて8年ぶり3度目の優勝を飾った。安定した投手陣をバックが無失策で支える、従来の〝強打の上田西〟からディフェンス力で頂点に立った。甲子園では開幕戦で土浦日大にタイブレークの末、3-8で敗れたが、無失策で持ち味は発揮した。他校より一歩遅れて新チームがスタートした上田西を訪ね、吉﨑琢朗監督(40)にこの夏の戦いを聞いた。

↓ 優勝メダルを首から下げる吉﨑監督(中央)

【上田西この夏の戦績】
▽2回戦
〇9-2伊那弥生ヶ丘
(7回コールド)
▽3回戦
〇11-1岩村田
(5回コールド)
▽4回戦
〇4-2塩尻志学館
▽準々決勝
〇2-0東海大諏訪
▽準決勝
〇3-0ウェルネス長野
▽決勝
〇7-6松商学園

↓ 8年ぶりに長野大会を制した上田西

▽甲子園1回戦
土浦日大0110000006 8
上田西 0002000001 3

―21年のセンバツ出場時は声援なし。通常に戻った甲子園はどうだったか
吉﨑監督 観客、応援あっての甲子園だなとあらためて思いました。選手にとっての大舞台に緊張感や高揚感が付け加えられ、味方の応援の後押しもありますし、本当の甲子園を感じました。

―センバツは準備時間がたっぷりあるが、夏は慌ただしく、まして開幕戦だった
(7月27日長野大会決勝、8月2日大阪入り、6日開幕初戦)
吉﨑監督 準備期間というのは少なかったのは正直ありましたが、試合をやりたい気持ちでいられたのはちょうどよかったです。しかし頭の準備というか対策とか、(気温など)現地の環境に慣れるといったことは忙しかったです。相手も条件は一緒ですが、開幕戦でやれたことは、選手にも学校にとってプラスになりますし、伸びしろもまだあったり、甲子園に出て満足という雰囲気でもなかったりしたチームだったので、勝てるようにあと一押ししてあげたかったところです。

―選手のコンディションは
吉﨑監督 疲れはぱっと取れていたのかと思いますが、体も頭もベストに戻す段階で落ち着かせる時間まではなかったです。慣れさせて、落ちつかせて「さあ行こう」というところまでの時間はありませんでした。練習の時間がしっかりと取れたのは(8月)4日の1日だけだったので、1回上げて落として慣れさせる時間があればベストでした。

―開幕戦の緊張感は
吉﨑監督 ちょっと動きはどうかなと見ていました。(土浦日大先発の)藤本君がすごくいいボールを投げていたので、初球を打ちに行きながら見逃せなかったり、どんどんいいボールを投げて追い込まれたりしました。ビデオで見るよりさらに良かったです。

―狙った攻略法、展開は
吉﨑監督 前半、離されても2点、5回まで同点ならと予想しており、展開的にはいい感じでした。後半、お互いにあと一歩で、こちらは9回までに勝負を決めたかったところですが、打順の巡り合わせもあり勝ち越せませんでした。

―先発のエース権田君を5回89球で交替した
吉﨑監督 相手に、積極的に苦にせず走られていたのが嫌でした(4盗塁)。そのへんもケアしたかったので(左の)服部が合うのではと思い交替。ランナーを制しながらうまく投げてくれました。

―9回裏の攻撃、2死一、二塁で9番服部君に代打を送りサヨナラを狙った
吉﨑監督 あそこが勝負手でした。服部は前の打席(7回2死三塁で)もチャンスで回っており、2回目は勝負をかけて変えざるをえませんでした。もちろん10回も服部に投げさせるプランもありましたが。

―左投手対策で、(5回代打の)右の室賀主将を左打者に変えて残す手は
吉﨑監督 室賀の打席の内容と、後ろに右投手も控えていたので変えませんでした。

―センバツも9回まで0-0で12回にサヨナラ負け。甲子園でも十分に互角に戦えているが、勝ち切るためには
吉﨑監督 延長戦に行く前にもっとやれることはあったのでないかなと思います。ファーストストライクを全員が見逃してしまったりと攻略を徹底してやれませんでした。守備に気を取られていた打撃のいい選手の頭をクリアにしてあげられなかったのもそうです。

※インタビュー(中)に続くー

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